プロフィール
杉岡 秀紀
杉岡 秀紀
1980年、奈良県生まれ。2003年同志社大学経済学部卒業、2007年同大学大学院総合政策科学研究科博士前期課程修了。2009年同博士後期課程退学。臨床政策学者。周旋家。2016年から福知山に移住。

専門は、公共政策、地域政策、地域公共人材論、大学まちづり論、NPO論、大学評価論。

大学時代から環境問題、まちづくりに関心を持ち、2003年にまちづくりNPO「きゅうたなべ倶楽部」を主宰(発起人)。地域に開かれた大学祭の創造や商店街活性化、フリーペーパーの発行・産学連携ITプロジェクト・商品開発・リユースフェアなどのコミュニティビジネスを武器に京都府南部地域におけるまちづくりに取り組む。

2007年からは、いったん地域から離れ、霞ヶ関(内閣官房)へ。行政改革推進本務事務局にて、社会保険庁改革に従事する。

同志社大学政策学部嘱託講師(2009〜2014)、一般財団法人「地域公共人材開発機構」事務局総括(2009〜2012)、京都府立大学公共政策学部講師・地域連携センター副センター長(2012〜2016)を経て、2016年秋より福知山公立大学地域経営学部准教授。京都府立大学京都政策研究センター特任准教授。

社会貢献活動として、龍谷大学地域公共人材・政策開発リサーチセンター 客員研究員、一般財団法人地域公共人材開発機構常任理事、一般社団法人社会的認証開発推進機構評議員、NPO法人グローカル人材開発センター理事、NPO法人京都子どもセンター監事、きゅうたなべ倶楽部アドバイザー、真庭市政策アドバイザーなどを務める。

主な著書は、『地域力再生の政策学』(ミネルヴァ書房、2010年、共著)、『地域貢献としての大学シンクタンク』(公人の友社、2013年、編著)、『地域公共人材をつくる』(法律文化社、2014年、共著)、『住民自治を問いなおす』(法律文化社、2014年、共著)、『もう一つの自治体行革』(公人の友社、2014年、編著)、『持続可能な地域実現と大学の役割』(日本評論社、2014年、共著)、『地域力再生とプロボノ』(公人の友社、2015年、編著)『地域創生の最前線』(公人の友社、2016年、編著)、『自治体政策への提言』(北樹出版、2016年、共著)など。

大学時代(2000年)に結成したバンド「シカゴプードル」では、2003年に京都学生祭典(KYOTO STUDENT MUSIC AWARD)でグランプリを受賞。2004年にCDデビューも果たした(2006年に卒業)。

【HP】 http://sugiokahidenori.jimdo.com
【ブログ】http://e013.dgblog.dreamgate.gr.jp/
【facebook】http://www.facebook.com/hidenori.sugioka/

【主な受賞歴】
2002年 「REALIZE In Kyoto(京都府南部地域における学生による地域政策・ビジネスコンテスト)」グランプリ受賞
2003年 「京都学生祭典 全国学生音楽コンテスト(kyoto student music award)」グランプリ受賞(Chicago Poodle)
2003年 「同志社大学育英賞」受賞
2004年 「エコ京都21」認定(きゅうたなべ倶楽部)
2004年  関西文化学術研究都市「都市びらき10周年」感謝状授与(きゅうたなべ 倶楽部)
2005年  内閣府「生活達人」認定
2005年  京都人間力大賞ファイナリスト
2007年  日本都市計画家協会「全国都市再生まちづくり会議」奨励賞受賞(きゅうたなべ倶楽部)
2012年  京都府「明日の京都」推進特別賞(地域公共人材開発機構)
2013年 「第7回全国大学まちづくり政策フォーラム」優秀賞受賞(杉岡ゼミ)
2013年 「第9回京都から発信する政策研究交流大会」優秀賞(杉岡ゼミ)
2014年 「京都府立大学学長賞」受賞(杉岡ゼミ)
2014年 「第10回京都から発信する政策研究交流大会」京都市長賞、優秀賞受賞(杉岡ゼミ)
2014年  2013年度京都府創発事業認定(京都丹波・写ガール隊)
2015年 「第9回全国大学まちづくり政策フォーラム」優秀賞、政策マネジメント研究所賞受賞(杉岡ゼミ)
2015年 「2015年京都丹波観光プランコンテスト」優秀賞受賞(杉岡ゼミ・京都丹波・写ガール隊)
2016年 「第4回 京の公共人材大賞」奨励賞受賞(京都丹波・写ガール隊)
2016年 「第10回全国大学まちづくり政策フォーラム」優秀賞、政策マネジメント研究所奨励賞受賞(杉岡ゼミ)
2016年 「京都府公立大学法人 理事長表彰」(京都丹波・写ガール隊、地域連携センター学生部会かごら)
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2012年10月30日

FM79.7「わくわく・MIYAKOBITO」

三条ラジオカフェ「わくわく・MIYAKOBITO」(FM79.7)

・日時:2012年11月3日(土)12:00~12:15
・出演:杉岡 秀紀(京都府立大学公共政策学部講師)
      ※パーソナリティ 高嶋 加代子
・URL:http://wakuwaku-miyakobito.seesaa.net/
・参考:http://www.pref.kyoto.jp/chiikiryoku/1259903261754.html
   

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2012年10月28日

京都経済同友会との協働研究

『京都における産学公連携就職支援のあり方についての調査・研究報告』

発行元:京都経済同友会「大学のまち・京都」を考える特別委員会の “就職支援機構”を考える分科会
     一般財団法人 地域公共人材開発機構

参照URL:http://www.kyodoyukai.or.jp/news/20121024-1142.html  

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2012年10月27日

「NPOの組転換・変革に備える」研修フォーラム【北部版】

一般財団法人社会的認証開発推進機構主催
「NPOの組転換・変革に備える」研修フォーラム~組織基盤強化と孤高の組織運営にむけて~

・日 時:2013年2月23日(土)14:00~16:45
・場 所:成美大学4号館309教室
・概 要:以下のとおり
・内 容: ◆基調講演:野池雅人(NPO法人きょうとNPOセンター常務理事・事務局長)
               テーマ:「世代交代における苦悩と希望-新しいガバナンスの中で」
       ◇フォーラム:15:15~16:45
                テーマ:「組織基盤強化と孤高の組織運営」
                登壇者 :野池雅人
                      :滋野浩毅(NPO法人四条京町家理事/成美大学教員)
                      :杉岡秀紀(一般財団法人地域公共人材開発機構理事)
         コーディネーター:平尾剛之
・参加料:無料
・主 催:一般財団法人社会的認証開発推進機構(http://withtrust.jp
・共 催:NPO法人きょうとNPOセンター、公益財団法人京都地域創造基金、一般財団法人地域公共人材開発機構、
      一般社団法人京都府北部地域・大学連携機構
・申込み:①氏名、②団体名、③E-mailアドレスをご記入の上、info@withtrust.jpまで。      
・その他:本企画は京都府「中間支援団体活動支援事業」の委託を受けて実施されるものです。  

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2012年10月26日

『地域開発』2012年10月号

冊子名:『地域開発』2012年10月号通巻577号

発行元:一般財団法人日本地域開発センター

特集テーマ:特集 人口減少、高齢化への挑戦――京都府北部地域を事例に

執筆テーマ:地域活性化に貢献できる地域公共人材――「地域公共政策士」資格制度と北部展開
         (杉岡秀紀 京都府立大学公共政策学部講師 )

参照URL:http://www.jcadr.or.jp/kaihatsu/mokuji-2/mokuji_2012/mokuji_1210.html  

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2012年10月24日

京都新聞@キャンパス

・媒体名:京都新聞(夕刊)@キャンパス

・特集テーマ:「府立大のイメージって?」 (杉岡秀紀ゼミ)

・掲載日:2012年10月24日(水)




  

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2012年10月21日

プレゼンのビタミン


「アートは心のビタミン」


と言ったのは、假屋崎省吾さんだったでしょうか。


つまり、

「あってもなくても構わないが、あることで豊かになるもの」

これがアートであり、ビタミンである、ということですね。
(もちろん、実際には無くなったら困りますが…)


さて、それでは

「プレゼンテーションにおけるビタミン」

は何でしょうか?


私はそれは

「GTS」

であると思います。

順に解説しましょう


まず「G」。

これは

「具体的にしゃべる」「具体例を示す」


ということです。

たとえば「私は野球が好きです」ではなく、

「私は関西生まれなので、物心ついたときから、阪神、特に金本選手が好きです」

とプレゼンする。

そうすれば、相手も「なるほど、これは本当に好きなんだな」と思ってもらえる訳です。

あと、ここでは詳述しませんが、

「グラフィック(絵・写真・動画)を入れる」

というGも大事ですね。



次に「T」。

これは

「喩話を入れる」

です。

たとえば、

「私はよく歩く事務所と言われます。というのも、カバンの中にいつもホッチキスからノリまで揃っているからです」

と言った感じで、何かに喩えて表現してみる。

「人生というマラソン」
「就活は恋愛だ」
「協働とは国際結婚のようなもの」


というのもその類ですね。

ともあれ、こうすることで、

「難しいことを易しく、易しいことを楽しく」

伝えることができる訳です。

また、この喩えの表現力、想像力が豊かであればあるほど、
ユーモア力を増幅させることができます。

クスっとでも

「笑い」

が取れれば、合格ですね。


なお、「T」に関しては、

・「時間(Time)を守る」
・「立つ」
・「タイミングを考える」


というバリエーションもあります。

解説不要かと思いますが、ぜひこれも大事にしてください。



最後は「S」。これは

「数字」


です。

たとえば、

×「日本は自殺が多い国です」
〇「日本の年間の自殺者は約3万人。これは交通事故による死者の3倍に当たり、一日約100人の人が亡くなっています」


という具合。

こう伝えることで、聞く側に、多いか少ないかの相場を考える素材を提供でき、当然プレゼンは深まります。


そして、Sには

「シンプル&スマイル」

という大事な要素もあります。

この解説も不要でしょう。



いかがだったでしょうか?

以上が、私の

「伝えるを伝わるに変えるために心掛けているビタミン」

になります。



最後にこの覚え方をお伝えします。それは

「GTSは「グレート・ティーチャー・スギオカ」の3ワードで覚える」

です(笑)。

はい、もちろん、

具体的で、喩えもあり、数字も入ってますね(笑)。



すぎおか拝





  

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2012年10月17日

京都府立大学 HP

京都府立大学 新任教員紹介「ニューフェイス」に掲載されました。

【京都府立大学 ホームページ】
→ http://www.kpu.ac.jp/contents_detail.php?co=tpc&frmId=2789  

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2012年10月14日

VWから学ぶ伝える・伝わるコツ


京都大学の

「山中 伸弥教授」

が今年ノーベル生理学・医学賞を受賞されました。

まず日本人して、そして、京都府民として、また同じ大学人として、誇りに思います。


ちなみに、この世には実はノーベル賞という賞はないのはみなさんご存じでしょうか?

そう、正式には、

「アルフレッド・ノーベル記念経済学スウェーデン国立銀行賞」

と言います。

もちろん

「ノーベルさんが作った賞」

であることは間違いではないので、完全な間違いとは言えませんが、
正確ではない、といことは指摘しておかなければなりません。

「バカの壁」「ステレオ・タイプ」「先入観」

は時として、罪につながったりしますからね。。


さて、今日の本題は、ノーベル賞そのものではなく、山中さんがいつもサイン色紙等で書いておられる

「VW」

という言葉に焦点を当て、伝え方、伝わり方の観点から一緒に考えていきましょう。


まず、この場を聞いて一番に思い出すのはなんでしょうか?

「フォルックス・ワーゲン(VW)」?

正解です。

でも、当然のことながら、山中さんはフォルックス・ワーゲンが好きでこの言葉を書いているのではありません。

ここにポイントがあります。

つまり、まずは皆が知っている言葉で

「おや?」

と注意を引き出している訳ですね。


これは今日は解説しませが、いわゆる

・AIDMA理論
・AISUS理論




「A(Attention)」

と言います。

皆さんが知っている(あるいは知らない)言葉でまず興味や関心を喚起するテクニックですね。


それでは、そのような入り口を作っておき、伝えたい答え、言葉は何か。それは、

V:visoon
W:work hard


というVWです。

つまり、

「夢やビジョンを持ちながら、一生懸命努力する」

これが、山中氏がVWに込めた思い、つまりはips細胞を生んだ一つの信念なんですね。


まとめすと、このように、

「一瞬「おや?」と思わせ、その中に一番伝えたいシンプルなメッセージを込める」

ご本人が意識されているかどうかは分かりませんが、これこそが山中先生から学ぶ

「伝えるテクニック、伝わるコツ」


ということになります。


最後に後日談ですが、このVWというメッセージは、正確には山中先生の言葉ではなく、
アメリカ留学時に、先輩の先生から頂いた大切なメッセージであることが分かりました。

つまり、ウィットに富みつつ、単なる思いつきではない、そんなストーリーがあったんですね。

このような

「ストーリー性」


も伝えるから伝わるに変えるためには、必要不可欠な要素になります。


という訳で、今日はここまで。

またお会いしょう。

すぎおか拝
  

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2012年10月07日

「NPOの組転換・変革に備える」研修フォーラム

一般財団法人社会的認証開発推進機構主催
「NPOの組転換・変革に備える」研修フォーラム~組織基盤強化と孤高の組織運営にむけて~

・日 時:2012年12月23日(日)10:00~13:00
・場 所:京都市東山いきいき市民活動センター(第1・2セッション)
・概 要:以下のとおり
・内 容:◇対 談 テーマ:「非営利組織の評価・認証業務から見えるもの」:10:10~11:10
      杉岡秀紀(一般財団法人地域公共人材開発機構理事・京都府立大学教員)
       ×平尾剛之(一般財団法人社会的認証開発推進機構事務局長)

     ◇フォーラム テーマ:「組織の意思決定とリスクマネジメント」:11:10~12:40
      登壇者:加藤武士(NPO法人京都DARC事務局長)
           :堀田正基(NPO法人障害者就労支援事業所京都フォーライフ事務局長)
           :中山麻衣子(認定NPO法人きょうとグリーンファンドスタッフ)
           :平尾剛之
       コーディネーター:杉岡秀紀
・参加料:無料
・主 催:一般財団法人社会的認証開発推進機構(http://withtrust.jp
・共 催:NPO法人きょうとNPOセンター、公益財団法人京都地域創造基金、一般財団法人地域公共人材開発機構、
      一般社団法人京都府北部地域・大学連携機構
・申込み:①氏名、②団体名、③E-mailアドレスをご記入の上、info@withtrust.jpまで。      
・その他:本企画は京都府「中間支援団体活動支援事業」の委託を受けて実施されるものです。
  

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2012年10月06日

言葉のメンテ

今日は言葉の変化について考えみます。


まずは以下の空欄を埋めてみてください。


・ブティック → (       )
・ジャンパー → (       )
・ズボン → (       )
・スパゲッティ → (       )
・ジーパン → (       )
・チャック → (       )
・喫茶店 → (       )
・コーヒー牛乳 → (       )
・お菓子 → (       )
・チョッキ → (       )
・えもん掛け → (       )
・ビフテキ → (       )
・アベック → (       )
・ずっく靴 → (       )
・背広 → (       )
・スパッツ → (       )


いかがだったでしょうか。

8割くらい埋められた方は、お客さんが自分より上の世代でも、下の世代でも大丈夫です。

一方、半分も埋まられなかった方は、プレゼン、いや会話するときにも注意が必要です。

というのも、どちらか一方の意味しか分からなければ、いつか書いた

「カタカナ」

と同様に、

「自分は分かっているけど、相手には伝わっていない」

という現象が起きる可能性が高いからです。


言語学者の金田一秀穂先生が指摘するように

「言語は生き物であり、時代と共に死んだり生まれたりするもの」

です。

しかもこのスパンは、長いものもあれば、本当に短くあっという間に変わるものもあります。


したがって、「伝える」を「伝わる」に変えるために大事なことは

「魚の目で言葉を観察する力」

を持つことです。

もちろん、これは新しい言葉しか知らない人にも同じことが言えます。

最近は、エコネイティブやデジタルネイティブ、という言葉がありますが、

「新しい言葉ネイティブ」

では終わらないように、現実を疑い、一度くらいは過去にさかのぼってみる努力が必要です。


そして、そのためにも、特定の人とだけいつも話すのではなく、
多世代、多業種いろいろな人と話せる環境に自分を置くこと。

この意識づけ何より重要です。


どれだけ立派な家でも服でも、衣替え、リノベーション、時に新調が必要なように、
言葉もメンテナンス意識が必要なんですよね。

すぎおか拝



※答え

・ブティック → ショップ
・ジャンパー → アウター
・ズボン → パンツ
・スパゲッティ → パスタ
・ジーパン → デニム
・チャック → ジッパー
・喫茶店 → カフェ
・コーヒー牛乳 → カフェオレ・カフェラテ
・お菓子 → スイーツ
・チョッキ → ベスト
・えもん掛け → ハンガー
・ビフテキ → ステーキ
・アベック → カップル
・ずっく靴 → スニーカー
・背広 → ジャケット
・スパッツ → レギンス





  

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2012年10月05日

【書評】山崎亮『まちの幸福論』NHK出版、2012

山崎亮『まちの幸福論~コミュニティデザインから考える』NHK出版、2012

第1章 カタチのないデザイン
第2章 消えてきたまち、消えていくまち
第3章 10年後の被災地の未来を考える―ドキュメント『東北発☆未来塾』
第4章 「つながりの時代」の、新しいモノサシ
第5章 メソッドを組み合わせてつくる
第6章 まちの幸福論


「まちの幸福論」。

このタイトルから思い出すことは2つあると思います。

まず3.11以降に「絆」「つながり」という言葉が見直され、
出版業界でも、相次いで出されることになった、いわゆる

「幸福論(新・幸福論、反・幸福論含む)」

の流れ。

そして、もう一つは著者である山崎氏が関わった島根県海士町の

「島の幸福論」

という総合振興計画の名前です。


事実、山崎氏も本書の「おわりに」でこのことについて

「最後まで書名について悩んだ」(p.200)
「まちの豊かさとは何か、にしようと思った」(p.201)


と言及しています。


しかし、そのような迷いの中でもあえて「幸福論」に決断された背景には、
山崎氏の代名詞である

「コミュニティデザイン」

を強調するよりも、本書の第3章で収録されている

「東北発☆未来塾」

での成果や思いみたいなことを強調したいという、

「教育者としての山崎氏の顔」

があったのではないでしょうか。

「東北の未来を考えることは、東日本大震災で顕在化した日本の課題を超えること」
「阪神淡路大震災を契機として大学生であった僕の未来は変わった」
「自分の未来が変わったからといって、日本の未来が変わるとは限らない」
「しかし、変えようと努力することによって自分の未来がより良いものに変わる可能性は高い」
「僕はやってみようぜと思える人たちと肩を組んでいきたい。それが僕にとっての幸福だから」


という結びの文章からもそのニュアンスを取って感じることができます(p.202~203)。



ところで、今日は、本書の中から私が一番共感したエピソードを3つだけご紹介したいと思います。


【1.まちの空間認識について】

山崎氏は、まちが元気をなくした原因として、以下の2つの歴史を指摘します。

①まちの生活が室内に取り組まれてきた歴史(買い物・演劇・コンサート・会議など)

②自分たちが担ってきたまちでの活動を他者の手に渡してきた歴史(託児・介護・清掃など)


この歴史認識はまさに正鵠を得ていると思います。

そして、氏はこの2つこそが

「人との関係性を切るまちを作った」

とも指摘します。

ここに加えるならば、因果関係はどちらか先が分かりませんが、

「住むところと働くところの分離」

ことが挙げられるでしょう。

いずれにせよ、こうして

「お金で暮らしを支える時代」

の到来こそが今の

・中山間地域の集落:62273
・限界集落(50%以上が65歳以上):7878
・維持困難とされる集落:2917
・これまでに消滅した集落:1300


という数字につながったという認識は私と共通の認識です。


【2.planned happenstance理論について】

本書では、キャリア論では有名な

「planned happenstance理論」

が紹介されています。これは

「計画された偶然」

と訳せる訳ですが、一見矛盾する言葉を組み合わせた言葉です。

しかし、考えてみれば、人生もまちづくりも思い通りにいかないのがむしろ当たり前で、

「世の中は実は、幸運な偶然が重なって、面白い人生となっている」

ことを今までのキャリア論のアンチテーゼとして言ってみただけです。

山崎氏自身も、

・大学進学は、英語とコンピューターとバイオテクノロジーのうち、消去法で選んだ。
・入ったのは農学部農学工学科だったが、バイオテクノロジーはそこで勉強できないことを3年生になる前に気づいた。
・そんな時たまたまガイダンスで「緑地計画学」の存在を知り、進路を変え、デザインの世界に飛び込む。
・そこから勉強を続けるも、1995年に阪神淡路大震災に会い、モノをつくる仕事やデザインに対する疑問が起こる。
・その現場から学んだことが、「モノをつくることよりも、人のつながりをつくること」、すわなちコミュニティ・デザインであった。


と、過去のプランド・ハップンスタンスを本書で告白しています(p.16~19)。

つまり、

「計画された偶然性」

を自らに対しても、まちに対しても実感されたという訳ですね。

私自身も詳述しませんが、NPOの世界に行ったり、音楽の世界に行ったり、はたまた行政の世界に行ったり、
そして今いる大学の世界に来たり、というのはすべて、この偶然性、偶発性だったと実感しています。

最後は、とどのつまり

「偶然を必然と見なせるかどうか、そして、偶然を呼び込むのは才能か努力か」

みたいなやや精神論や思考法に近い話になってしまいますが、いずれにせよ、
キャリアやまちづくりを考える上では、大事な概念、考え方のひとつだと思っています。


【3.ファシリテーターの重要性について】

山崎氏が本書も含めて、コミュニティデザイン論を展開する中で、必ずセットで語られるのは

「ファシリテーター」

の存在です。

氏はファシリテーターの役割については、このように語っています。

「ファシリテーターは単にその場に出た言葉をまとめるだけではなく、発言者自身も気づいていなかったような思いを引き出したり、出てきた言葉の中に含まれる重要な点を磨きあげたり、夢物語のように聞こえるものを実現するために道筋を示したすべき」(p.145)

「もともと人と話すことが好きな性格だが、ワークショップは僕自身にとって、さまざまなことを学ぶ機会になっている。そして、学んだことはすべてファシリテーションのスキルになる」(p146)

「ファシリテーターは、自らの提案をまちの中まで持ち込める人。さらに言えば、その提案をまちの人たちの意見と統合し、まちの人たちが主体となれる方法論で課題を解決できる人材」(p.154)

「日本の大学は総合政策といった学科はあるものの、ファシリテーターを育成する場はない」(p.154)

「机上の研究だけでなくフィールドワークとして取り組む人材の育成はこれからの大学、というよりも日本の教育がやらなければならないこと」(p.154)


最後から二番目の「ない」という表現は「少ない」というのが事実だと思いますが、それ以外の部分にはほぼ共感できます。

何より山崎氏は年間120本ほど講演し、常時50本ほどのプロジェクトに関わりながら、とにかく現場で仕事をされています。

したがって、その現場から紡ぎだされる言葉は非常に重いものがある訳です。

私自身のフィールドはあくまで京都府にこだわり、京都で完結しているため、山崎氏ほどのウィングはありませんが、
役割としては氏と同じ

「ファシリテーターやコーディネーター(私は周旋家、と命名)」

が多いのが実情です。

その意味において、言葉というよりも感覚として共感する部分も多く、これからは、こうした人材をまずは自身のゼミや講義を通じて、より力を入れていこうと確信した次第です。



最後に、もう一つだけ大事なキーワードと他方で今後のハードルについて、一つずつ付記したいと思います。

まずもう一つの大事なキーワードは

「主体形成」

という言葉。山崎氏自身

「主体形勢ワークショップの手法のほとんどは(中略)先輩たちが教わったことであり、独自に考え出した手法は実は何もない」(p.23)

と吐露されていますが、大事なポイントは方法論ではなく、その考え方です。

あくまで主役は現地に住む人であり、コミュニティデザイナー、ファシリテーターはあくまでも裏方、黒子、縁の下の力持ちである、ということですね。

これが逆転してしまうと、まちづくりは絶対に成功しません。

その意味において、山崎氏が注目される理由はここを絶対はずさないこと、ぶれない哲学があることだと勝手ながら推察しています。


他方で、私自身の反省も含めてですが、コミュニティデザインを取り巻く言葉には

「カタカナがやや多い」


という問題があげられます。

都市型であれば、そこまで問題になりませんが、やはり現地に入っていつも気づくのはこの言葉の壁です。

・コミュニティデザイン
・ファシリテーター
・プレゼンテーション
・ネットワーク
・ランドスケープ
・パークマネジメント
・プラン、プロジェクト
・ヒアリング
・バックキャスティングetc・・・


などなど挙げだしたら、切りがありません。

こうした言葉はもちろん日本語に直しにくいからそのまま使われている訳でして、それ自体が云々ということではありません。

大事なことは、

「これらのカタカナ言葉を使うときは、聞き手が理解しているかどうかを確かめながら使わなくてはいけない」


という配慮、心遣いです。

この場をお借りして、自らの自戒も含めた警鐘を記録としてとどめておきたいと思います。



すぎおか拝  

Posted by 杉岡 秀紀 at 00:00Comments(0)大学生に薦めたい一冊

2012年10月03日

【書評】池上彰『池上彰の政治の学校』朝日新書、2012

≪政治テスト≫
次の中で正しいと思うものに○をし、間違っていると思うものに×をしなさい。

【外国編】
( )アメリカでは、会社員が選挙に出ても、もし選挙に落ちればまた会社に戻れるのが当然。
( )アメリカの大統領選挙は実は直接選挙ではなく、間接選挙である。
( )アメリカが戦争するときは、共和党より民主党の方が多い。
( )アメリカの大統領選挙がいつも11月なのは、アメリカが農業国だからである。
( )アメリカでは、「戦争始める」という戦線布告する権限は大統領ではなく、議会にある。
( )アメリカの予算編成権は、議会が持っている。
( )連邦議会が丘の上にあり、ホワイトハウスが平地にあるのは、連邦議会が国民の代表である印である。
( )大統領と首相では、大統領の方が偉い。
( )デンマークの投票率は80%を切ったことがない。
( )台湾の国家元首を「大統領」と呼ばないのは、中国への配慮である。

【日本編】
( )「55年体制」は「1と2分の1政党制」という別称でも呼ばれる。
( )わが国は三権分立だが、その中でも一番偉いのは国会である。
( )わが国には「予算案は借金しては作ってはいけない」という法律がある。
( )総理大臣には任期がない。
( )国の選挙は、かならず「大安」の日に行われる。
( )国会議員は国会会期中は逮捕されない。
( )国会の中には警察は入れない。
( )総理大臣と首相という言葉は、日本と外国で使い分けている。
( )国会と議会という言葉は、日本と外国で使い分けている。
( )小選挙区制では、政権交代が起こりやすい。








いかがだったでしょうか?

20問中いくつ○が付いたでしょうか?


答えは、、

「すべて○が正解」

です。


意外だったではないでしょうか?

内容はともかく、まじめな日本人が答えると、

「すべて○はないやろなぁ」

とまず疑ってしまう心理が邪魔をして、わざわざ×と思ったものを、
○に変えてしまった人が多かったかもしれませんね。

これを

「まじめに間違う」

と言います(笑)。



それはさておき、この

「知っているようで、意外と知らない」

というのが政治(学)の一つの面白さであり、深さです。

というのも、毎日ニュースや新聞を読んでいるだけでは、意外とこの手の話題はタイムリーには出てきません。

また、教科書的な本や公務員試験の対策書を読んでも、意外とこうしたことは「コラム」レベルの扱いが関の山で、
なかなか表には出てこない話題だったりするからです。


しかし、こうしたことが面白いと思えたら、つまり、政局のニュースやスキャンダルばかりではなく、
こうした仕組みや事実の面白さに触れられると、もっと政治というものが近くに感じられるのかもしれません。


いずれにせよ、こうした面白さを伝えるプロが

「池上彰」

氏です。


「難しいことをやさしく、やさしいことを楽しく」

伝えるのは、ことのほか本質を理解していないとできないことです。

そういう意味では、研究者ではありませんが、素晴らしい勉強家であり、プレゼンターだと思います。



という訳で、上記テストの解説を読みたいと思われた方は、ぜひこの本をお読みください。


池上彰『池上彰の政治の学校』朝日新書、2012

入門書としては、最適だと思います。

この本をきっかけに政治学や行政学、公共政策学を身近に感じてもらえる学生が増えることを祈って。



すぎおか拝






  

Posted by 杉岡 秀紀 at 00:00Comments(0)大学生に薦めたい一冊

2012年10月01日

プレゼンは誰のためにするのか?

今日は

「プレゼンは誰のためにするのか」

あるいは

「プレゼンの主役は誰か」

ということについて考えてみたいと思います。


このテーマを考える一番分かりやすいヒントは、

「顔は誰のためにあるのか」

という単純な問いかけです。


当然こう聞くくらいですから、NG回答は「自分」です。

なぜか。

確かに、毎日顔を洗うのは自分だし、歯を磨いたり、髪型を整えたりするのは自分です。

女性であれば、ここにお化粧という、ワンポイントが足されますよね。

しかし、よく考えてほしいのです。

「なぜ、あるいは誰のために、人は鏡を見て、身だしなみを整えるのか」

という根源的な問いを。


答えは簡単ですね。

それは

「見てくれる人、見られる人がいるから」

のはずです。


つまり、顔もプレゼンも、

「所有権は「自分」ですが、使用権は「自分」だけでは完結しない」

のです。

ここにプレゼン力、伝える力、伝わる力の最大の気づきがあります。


もうお分かりでしょう。

顔が他人のためにある(自分のためはもちろん)のと同様に、

プレゼンは、

「聞いてくれる人が主役」

なのです。

プレゼンは、

「聞いてくれる人のためにある」

のです。


この気づきさえあれば、プレゼン内容はもとより、プレゼンに係る姿勢やまなざし、
準備の在り方などは、きっとすべて変わってくるはずです。

「何か最近伝わってない気がするな」

と思われる方は、この原点回帰をしてみてください。

意外と意識一つでプレゼンは変わるもんですよ。


すぎおか拝




  

Posted by 杉岡 秀紀 at 00:00Comments(0)伝える・伝わる研究所