プロフィール
杉岡 秀紀
杉岡 秀紀
1980年、奈良県生まれ。2003年同志社大学経済学部卒業、2007年同大学大学院総合政策科学研究科博士前期課程修了。2009年同博士後期課程退学。臨床政策学者。周旋家。2016年から福知山に移住。

専門は、公共政策、地域政策、地域公共人材論、大学まちづり論、NPO論、大学評価論。

大学時代から環境問題、まちづくりに関心を持ち、2003年にまちづくりNPO「きゅうたなべ倶楽部」を主宰(発起人)。地域に開かれた大学祭の創造や商店街活性化、フリーペーパーの発行・産学連携ITプロジェクト・商品開発・リユースフェアなどのコミュニティビジネスを武器に京都府南部地域におけるまちづくりに取り組む。

2007年からは、いったん地域から離れ、霞ヶ関(内閣官房)へ。行政改革推進本務事務局にて、社会保険庁改革に従事する。

同志社大学政策学部嘱託講師(2009〜2014)、一般財団法人「地域公共人材開発機構」事務局総括(2009〜2012)、京都府立大学公共政策学部講師・地域連携センター副センター長(2012〜2016)を経て、2016年秋より福知山公立大学地域経営学部准教授。京都府立大学京都政策研究センター特任准教授。

社会貢献活動として、龍谷大学地域公共人材・政策開発リサーチセンター 客員研究員、一般財団法人地域公共人材開発機構常任理事、一般社団法人社会的認証開発推進機構評議員、NPO法人グローカル人材開発センター理事、NPO法人京都子どもセンター監事、きゅうたなべ倶楽部アドバイザー、真庭市政策アドバイザーなどを務める。

主な著書は、『地域力再生の政策学』(ミネルヴァ書房、2010年、共著)、『地域貢献としての大学シンクタンク』(公人の友社、2013年、編著)、『地域公共人材をつくる』(法律文化社、2014年、共著)、『住民自治を問いなおす』(法律文化社、2014年、共著)、『もう一つの自治体行革』(公人の友社、2014年、編著)、『持続可能な地域実現と大学の役割』(日本評論社、2014年、共著)、『地域力再生とプロボノ』(公人の友社、2015年、編著)『地域創生の最前線』(公人の友社、2016年、編著)、『自治体政策への提言』(北樹出版、2016年、共著)など。

大学時代(2000年)に結成したバンド「シカゴプードル」では、2003年に京都学生祭典(KYOTO STUDENT MUSIC AWARD)でグランプリを受賞。2004年にCDデビューも果たした(2006年に卒業)。

【HP】 http://sugiokahidenori.jimdo.com
【ブログ】http://e013.dgblog.dreamgate.gr.jp/
【facebook】http://www.facebook.com/hidenori.sugioka/

【主な受賞歴】
2002年 「REALIZE In Kyoto(京都府南部地域における学生による地域政策・ビジネスコンテスト)」グランプリ受賞
2003年 「京都学生祭典 全国学生音楽コンテスト(kyoto student music award)」グランプリ受賞(Chicago Poodle)
2003年 「同志社大学育英賞」受賞
2004年 「エコ京都21」認定(きゅうたなべ倶楽部)
2004年  関西文化学術研究都市「都市びらき10周年」感謝状授与(きゅうたなべ 倶楽部)
2005年  内閣府「生活達人」認定
2005年  京都人間力大賞ファイナリスト
2007年  日本都市計画家協会「全国都市再生まちづくり会議」奨励賞受賞(きゅうたなべ倶楽部)
2012年  京都府「明日の京都」推進特別賞(地域公共人材開発機構)
2013年 「第7回全国大学まちづくり政策フォーラム」優秀賞受賞(杉岡ゼミ)
2013年 「第9回京都から発信する政策研究交流大会」優秀賞(杉岡ゼミ)
2014年 「京都府立大学学長賞」受賞(杉岡ゼミ)
2014年 「第10回京都から発信する政策研究交流大会」京都市長賞、優秀賞受賞(杉岡ゼミ)
2014年  2013年度京都府創発事業認定(京都丹波・写ガール隊)
2015年 「第9回全国大学まちづくり政策フォーラム」優秀賞、政策マネジメント研究所賞受賞(杉岡ゼミ)
2015年 「2015年京都丹波観光プランコンテスト」優秀賞受賞(杉岡ゼミ・京都丹波・写ガール隊)
2016年 「第4回 京の公共人材大賞」奨励賞受賞(京都丹波・写ガール隊)
2016年 「第10回全国大学まちづくり政策フォーラム」優秀賞、政策マネジメント研究所奨励賞受賞(杉岡ゼミ)
2016年 「京都府公立大学法人 理事長表彰」(京都丹波・写ガール隊、地域連携センター学生部会かごら)
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2014年04月30日

社会の教育力と教育の社会力

今年から包括協定自治体の協力を得て、

「公共政策特殊講義Ⅱ(自治体と地域公共人材論)」

という講義を新設させてもらっています。

その狙いは、

①本学と包括協定を締結している自治体のことを知る機会を創る(教育の場として)。
②現在進行形の自治体の現状を比較しながら知る機会を創る(とりわけ京都府下)。
③自治体職員の仕事の実情を知り、イメージとしての公務員と実際の公務員のギャップを埋める機会を創る。


というものです。

したがって、本講義は地域連携センター、京都政策研究センターの協力も得て、
公共政策学部生だけでなく、他の学部からの受講、また聴講も可能にしています。

なお、講演頂くテーマとしては、

・総合計画などまちのビジョンと具体的な事業紹介
・人材育成計画と人材育成の実際
・その他(仕事の変遷や一日の仕事紹介など)


とし、それぞれの自治体の特徴を強調してもらいつつも、
最後は「人材育成」に落とし込んで頂くようお願いしています。

つまりは

「行政も人なり」

ということを学生に伝えたい、というのが私の裏目的です。

また、講師役に来て頂く職員さんもエース級の職員さんを推薦いただくとともに、
若手の職員にも一緒に来て頂き、学生にとっては

「こんな公務員がいるんだ」

と思ってもらうと同時に

「自分もがんばれば手が届きそう」

とも思ってもらえる設計にしました。


加えて、ゲスト講義の次の回は、毎回当該自治体から課題を頂き

「立ちワークショップによる政策アイディアづくり」

に取組みます。いわゆる

「アクティブ・ラーニング」

ですね。あるいは最近流行の言葉では

「反転授業」

と言っても良いと思います。

ともあれ、ケースが現実の課題ということもあり、ここでの

「熟議」

は本当に良い頭の体操につながっています。


さて、そんな狙いのもと、スタートを切った特殊講義。

現在のところ、宮津市さん、舞鶴市さんにお話頂いた段階で、まだ総括するには早いですが、
学生の意見を見ていると本当に良い気づきを得てもらっているようで、企画したものとしてホッとしています。

ちなみに本学では、企業との協力のもと4名の経営者に講演いただく
「グローカル企業と人材論(担当:青山公三教授)」という講義もあり、ここでは

「経営者に直接触れ、対話する場」

が創造されています(私はサポート)。

そして、同じく私が担当する「NPO論」という講義では、

「NPOリーダーやスタッフの方に直接触れ、対話する機会」

も創っています。


ともあれ、こうして

「産学公NPO」

それぞれのセクターを講義を通じて見聞できる時代になりました。

こうしたマルチセクターをかいま見る中で

「初めて見える共通点や相違点」

というのがあり、これこそが私が最も学生に伝えたい

「社会の教育力」

です。

そして、こうした場で学んだ学生が社会でここで得た知識や智慧を活用することにより

「教育の社会力」

も向上していくものと信じています。


その意味でもこれからの大学教員には教育力、研究力だけでなく、

「仲介力」「コーディネート力」「周旋力」

がますます求められる時代に入ってくると思いますね。


時代は常に動きます。

すなわち今日の正解は明日の正解とは限らないということです。

自戒を込めて、次代にふわさしい講義(教育)のあり方を今後も努力しながら、
模索し続けたいと思う今日このごろです。

教育は未来のためですから。







平成26年4月30日

杉岡 秀紀 記






  

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2014年04月29日

【キャリアフォーカス】西尾直樹氏

今日は友人であり、元同僚の

「西尾直樹」







http://kanryo-zukan.tv/member.html

氏の結婚披露宴でした。

彼は

「聞き綴り士」

というちょっと変わった肩書きで活動しています。
会社も立ち上げその名も

「聞き綴り本舗」

つまり、

「プロのインタビュアー」

を職業にした面白いキャリア(足跡)をお持ちです。

ちなみに、今回ご結婚された奥様もその講座で出会われたとか。

…という訳で、本日は西尾氏のキャリアついて少し書いてみたいと思います。


私が西尾氏と出会ったのは、早くも10年以上前にさかのぼります。

同じ大学で同級生(年は西尾氏が一つ上)でしたが、学部が違うので、自然にはつながりません笑。

確か2001年か2002年にかけて、友人の誰かから

「面白い人がいるから紹介する」

ということで、今出川烏丸にあったマック(今はファミリマートになっている)でお茶をしたのが最初だと記憶しています。

出会ってから意気投合までは時間はかかりませんでした。

まずはお互いが団体を持っていたので、私が彼が主催する

「学誠塾(実際に政治家を読んで勉強会をしたり、活動する学生団体)」

に参加し、京都の国会議員(左京区選出)の方とゴミ拾いをしたり、お祭りに出たり、はたまた、私の主宰する

「きゅうたなべ倶楽部」

http://san-kyu.kir.jp

に西尾氏にも臨時スタッフとして来てもらい、イベントを手伝ってもらったり、していました。

そして、学部時代は大学内で会うことは少なかったのですが、大学卒業後(2003年)はお互いが

「同志社大学総合政策科学研究科」

http://sosei.doshisha.ac.jp

という同じ研究科に進みましたので、学内で会う機会もますます増えました。

また、プライベートでも私がやっていたバンド

「シカゴプードル」

http://chicagopoodle.com

のメンバー(私以外)と高校が同じということもあり、アマチュア時代もプロになってからも
よくライブも見に来てくれました。

感謝ですね。

…ここまで書いて、気づく事はこの時までは特に

「インタビューとか聞き綴りはしていなった」

ということですね笑。

これは最近彼を知った方からすると意外に思うかもしれませんが、事実です。


そんな中音楽活動が忙しくなり、ちょっと西尾氏とは疎遠になりました。

そして、音楽業界からの引退し、大学院に戻って間もないころに、
一本の電話で、またその縁が復活します。

「杉岡君、今KGCという団体に所属していて、毎西研究者図鑑という仕事をしてるんやけど、インタビューさせてくれないかな?」

もちろん、即答でOKしました。その時の模様がこちらです。

http://ameblo.jp/nishio-naoki/entry-10022169412.html

しかしながら、この時のことを改めていま振り返ってみると、

「ノルマという重圧で非常に追いつめられていた」

という印象でした。

あくまで私の想像ですが、この修行に近い

「300日間で300人インタビュー」

のノルマは普通の営業マンよりきつかったのではと。

とはいえ、この甘酸っぱい経験がその後の西尾氏の

「聞き綴りという魅力」

にはまって行くきっかけになったのも事実だと思います。

やぱり人間は部活でも勉強でも苦労した分、そのことがかわいくなりますから。

そして、これこそキャリアフォーカスしたい部分です。


その後、西尾氏は

「料理人図鑑」

とか

「地球人図鑑」

とかく「○○図鑑」に着手し、どんどんと聞き綴りの道に入っていくわけですが、
私は東京で仕事をすることとなり、再び西尾氏とはまた疎遠になりました。



そんな西尾氏と再び再会することになったが、2008年から私が立ち上げスタッフとして関わった

「一般財団法人地域公共人材開発機構」

http://www.colpu.org

です。正確には、この研修メニューを検討している中で、ある理事の先生から

「西尾君のインタビューを組み込んだら、面白いのでは?」

という提案があり、採用させてもらったことで、また一緒に仕事をすることになりました。

今だから言いますが、この時は友人としてとても誇らしい気持ちになったことを思い出します。

なぜなら、

「自分の友人の活躍を第三者の方を通じて知り、仕事としてつながるチャンスに出会えた」

からです。

そして、その時の一つのアウトプットとして、

「地域公共人材図鑑」

http://www.amazon.co.jp/地域公共人材図鑑-地域公共人材開発機構/dp/487555589X

という本を出版したのも本当に良い思い出です。

そして、いま西尾氏はフリーの聞き綴り士として、私は大学教員としてまた職場が変わりましたので、
また距離が空きましたが、ちょこちょこ仕事でつながっています。

いや〜そういう意味で言えば、くっついたり、離れたり、何だか恋人みたいですね笑。


ともあれ、まさしくこのキャリアを見るだけで、スタンフォード大学のクランボルツ博士の

「プランド・ハップンスタンス(計画された偶然性)」


を実感せざるを得ません。。


さてさて、以上が西尾氏のキャリアであり、私との交友抄でもある訳ですが、
西尾氏の「キャリア」から学べることを最後にまとめておきたいと思います。

それは、以下の3点。

①自分の強みや人生かけて大事にしたいキーワードはひょんなことがきっかけで見つかる。
②そのキーワードで取組む仕事は最初は嫌いだったりする。
③人、ネットワークを大事にしていると仕事でつながる、仕事がつながる。
  (それも1回限りとは限らない。また何が、どうつながるかは予想できない)


昔こんな言葉を聞いたことがあります。

「本当に大事な仕事は友達が連れてくる」


西尾氏のキャリアは、マイペースでいて、実は最先端のキャリアなのかもしれませんね。


平成26年4月29日(火)

杉岡 秀紀 記

西尾氏の結婚を祝して。








  

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2014年04月28日

【書評】『食える学歴』

中野雅至『食える学歴〜親・官僚・大学教授の立場から見つけた真実』扶桑社新書、2014 。













欧米では

「職に人がつく」

が、日本では

「人に職がつく」

と言われます。

また日本では、ものづくり大国を標榜しつつも、高専や職業訓練校が低く見られる傾向があります。

また、せっかく転職しようと思っても、転職市場やそれを取り巻く社会環境が非常に脆弱です。

中野氏は

「日本ほどリセットするがの難しい国はない」

と指摘しますが、第一安倍政権で

「再チャレンジができる社会」

とのコピーがわざわざ喧伝されたのは、そのような背景があると言えるでしょう。


それでは、そんな現実を前提に、今後我々はこの時代とどう向き合い、
どう働き方をリデザインしていけば良いのでしょうか。

中野氏は

「サバイバル力」

を提言します。

その中はこうです。

①メンタルの強さ
②市場で闘うことのできる武器(語学・資格など)
③プレゼンを含むた広いコミュニケーション力
④人脈
⑤経験


経験則からもその通りだと思います。

ただし、これはいずれも

「個人の属性(個人の努力で何とかするもの)」

であり、社会環境(個人の努力だけではどうにもならないもの)も同時に整えていかなければなりません。

一言で言えば、それは

「学びと働きと生き方がつながる社会」

と言えます。

あるいは本書のタイトルに引きつけるならば

「学校歴<学歴<学習(修)歴」

が重んられる社会です。

日本ではまだ想像がつかないかもしれません。

しかし、世界はまさしくその方向性に舵を切っています。

島国ゆえの

「ガラパコス」

も全否定はしませんが、こうしたグローバルな時代において、
選択したい人が選択できない社会では先進国とは言えないでしょう。

最近こそ

「ノマドワーク」



「パラレル・ジョブ(復業)」

など新しい働き方が認められつつありますが、
これからは物理的な豊かさや経済的豊かさだけでなく、

「働き方の豊かさ」

「働き方の先進国」

をわが国は目指す必要があることは言うまでもありません。


平成26年4月27日

杉岡 秀紀 記  

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2014年04月27日

【書評】『京都から大学を変える』

松本紘『京都から大学を変える』祥伝社、2014。











これまでも大学のトップによる著作は沢山出版されてきました。

最近の著作だけでも

・川本 八郎 『大学改革 - 立命館はなぜ成功したか』中央公論新新社、2009
・白井 克彦 『早稲田はいかに人を育てるか 「5万人の個性」に火をつけろ 』PHP新書、 2009
・中島嶺雄『なぜ国際教養大学で人材は育つのか』祥伝社黄金文庫、2010


などは全国的に大学改革で名を轟かせた学長(総長)による著作であり、
大学人にも多く読まれたものと察します。

そうしたカテゴリーにまた一つ新しい風を吹き込んだのが、今回取り上げる松本総長による本書です。

結論から言えば、

・(文教)政治に対する陳情(警告)書
・国(文科省)に対する要望書
・産業界やステークホルダーに対する大学の努力を説明する書
・同じ大学人(とりわけトップ)に対する励ましやノウハウの公開のための書
・学内に対する体系的なメッセージ書
・京大改革の記録(回顧録)
・総長自身の自叙伝etc ・・・


色んな読み方ができると思います。

また、個人的には、タイトルが

「京大から大学を変える」

ではなく、

「京都から大学を変える」

とされたところに、

「大学のまち・京都が日本全体に果たす役割」

への期待も込められているとも感じました。


ともあれ、本書の中で論じられていることはいずれも

「今後の大学が向かうべき方向性」

を示されており、すでに取組みが進んでいる大学にとっては

「比較軸(対象)」

として、あるいは

「チェックリスト」

として、またこれから改革が求められる大学にとっては、

「一つのロールモデル」

として本書を活用できると思います。


ここでは以下、特に私が印象に残った

「人材育成」

に関する言葉(考え方や行動)簡単に紹介したいと思います。


・アンラーニング
 →部活もしないで、ひたすら受験科目の勉強だけしてきたため、入学したとたん、目標を失い、抜け殻になってしまう「伸びきったパンツのゴムのような学生」に対して、それまで蓄えてきたすべての知識や考え方、物の見方をまちがいかもしれないと疑うこと、一旦白紙に戻させる作業。

・基礎力
→うわべだけの即戦力ではなく、本当の意味で使える人材、すなわち基礎をしっかり身につけ、どんな状況にも対応できる人材、耐え得る人材、
世界のどこへ行っても生きていくのに必要な発言力、発進力、対話力をもった人材。

・「異自言」
→グローバル人材に必要な「異(異文化理解力)・自(自国理解力)・言(言語力)」の3つ力。

・「聞思修」
→これからのリーダーに必要な、聞いて得られる「聞慧」、思索によって得られる「思慧」、実践によって得られる「修慧」の3つの智慧。

「価値創造人材」
→幅広い知識(教養)や経験がある人材。想像力は知識や経験の組み合わせで生まれる。

・4つの「ガク力」
→①学力(知識・教養)、②顎力(コミュニケーション力)、③額力(思いやり)、④楽力(楽しむ力)
 
以上です。

松本総長はこれらの力を身につけさせるために、入試改革を行い、教育改革を行い、機構改革を行いました。

詳しい改革の中身はまた直接本書でご確認頂ければと思いますが、重要なことは

「Without challenge, We have no chance to change」

何よりも

「考動」と「実践」

をされたことでしょう。

組織は人なり。

大学も人なり。

改革はたった一人の

「ほっとけない」

から始まります。

もちろん改革には痛みも伴いますし、その過程においては、反対する勢力や批判する人も多くいると思います。

それも含めての改革です。

「傷つき、気づき、築く」


大学人の後輩として、そして、大学のまち・京都で大学に携わる一人として、
本書から大きな勇気と刺激を頂きました。

松本総長に感謝いたします。


平成26年4月27日
杉岡 秀紀 記




  

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2014年04月25日

【書評】『裏方ほどおいしい仕事はない!』

野村恭彦『裏方ほどおいしい仕事はない!』プレジデント社、2009









「事務は運動なり」

これは日本の婦人運動家、政治家(元参議院議員)である

「市川房枝」

さんの言葉ですが、まさに実感としてそう思います。

若い方は市川房江さんそのものの存在をご存知ないかもしれません。

また、ビジネスマンの方は、運動家(政治家)の言葉はビジネスには関係ないとお思いかもしれません。

そんな方にぜひご一読頂きたいのが、

野村恭彦氏の

『裏方ほどおいしい仕事はない!』(プレジデント社、2009)

この本はサブタイトルに

「肩書きより10倍役立つ事務局力実践講座」

とあるように、

「事務局力」

があがるノウハウを解説してくれ、今までの事務局を見る目を一変させてくれると思います。


事務局力とはこのように定義されています。

「裏方から会社のあらゆる人を動かす能力」

当然この「会社」を「組織」に置き換えれば、
「行政」や「政治」、また「NPO」や「大学」にも読み替えが可能です。

事実私も公務員として、NPOスタッフとして、
そして、今は大学人として表にも裏に回ることが多い訳ですが、
実感を込めて、この力こそがその組織の正否を決めると思っています。

この力は言い換えれば、内田樹氏が指摘する

「雪かき仕事(力)」

つまり、

「誰の義務でもないけれど、誰かがやらないと結局みんなが困る種類の仕事(力)」

にも相通じるものがあります。

また、作家のパウロ・コエーリョのいう

「恩義の銀行」

にも相通じると野村氏は指摘します。

総じて

「派手さはなく、パッとは目に見えにくいが、なくては困る力」

と言えます。

私などは、

「大事なものは目に見えないんだよ」

というサン・テクジュベリの星の王子様を思い出した人は、
この価値を直感でご理解頂けるかも、と思ったしもします。

さて、そんな事務局ですが、向上させるためには具体的にはどうしたらよいのでしょうか。

野村氏は以下7つ道具を提唱しています。

①ケアするメール
②アガペー(神の愛)モード
③鍋奉行ホワイトボード
④付箋ワークショップ
⑤内職プレゼンテーション
⑥あこがれベンチマーキング
⑦あとづけバイオグラフィー


一つ一つはここでは解説しませんが(読む方の楽しみを奪いたくないので)、
どれもがなるほど、という仕掛け、メソッドです。

7つに共通するのは

「参加者の顧客満足をどうあげるか」(p.81)

という価値観です。

そういう意味では

「会議マーケティング」

という言い方もできるかもしれませんね。

あえて、付け足すとすれば、この本では

「会議における事務局力」

が中心となっているので、日常の事務局力を高めるために

「コミュニケーションは質と量」

という提言を私は8つめに加えたいと思います。


ともあれ、重要なことは

「物事は氷山だけでなく、その下の水面下にある暗黙値をしっかりと見ることが大事」
「当たり前を疑ってみること、そして当たり前に一工夫を加えることで、現実は変わる」
「一事は万事。小さいことを大事にするが大きいことをできる唯一最大の第一歩」


ということでしょう。

自戒を込めて、これからも自身の事務局力に磨きを掛けたいと思います。


平成26年4月25日
杉岡 秀紀



  

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2014年04月18日

【書評】『フューチャーセンターをつくろう』

「組織を超えて、多様なステークホルダーが集まり、未来志向で対話し、関係性をつくる。
そこから創発されたアイディアに従い、協調的アクションを起こしていく。そのための「常に開かれた場」」

(野村恭彦『フューチャーセンターをつくろう』プレジデント社、2012 p.157)








これが

「フューチャーセンター」

の定義である。

これは公共政策(学)に引きつけて言うならば、まさに

「(新しい)公共」「自治」

と同義である。

特に、注目したいのが、

「常に開かれた場」

という言葉。

というのも、

「公共」

の英語訳である

「パブリック」

の意味とは、まさしくこの

「開かれている」

という意味であり、皮肉にも日本では

「パブリック=公(官)」

に回収されてしまったが、本来の

「パブリック」

とは

「公共」

であり、

「昔は開かれた存在であった」

からである。

すなわち、大げさに言えば「フューチャーセンター」の台頭は、皮肉にも未来ではなく

「過去(原点)」

を思い出させてくれ、かつ

「本来あるべき公共」

を思い出させてくれた。

以下、このことについて少し解説(私見)を加えたい。


かの経営の神様P・F・ドラッカーは

「NPOの原点は、日本の古寺にある」

と指摘した。

つまり、我が国には、NPOという言葉が誕生する前に、お寺というNPOがあり、お寺こそが

「学校の原点、病院の原点、芸術の原点=公共」

であった。またお寺には

「境内という皆に開かれた公共空間」

があった。

加えて、現在の住基台帳のような戸籍の管理もお寺が担っていた。

つまり、こんにちの

「行政(公)中心」

に果たしている

「生病老死」

のサービスは、

「お寺という開かれた公共」

がその大部分を担っていた。
(この詳細については、秋田光彦『葬式しないお寺』新潮新書、参照)

これが明治維新(廃藩置県)後は、我が国は中央集権国家となり、
お寺の公共的機能は奪われ、とりわけ戦後の高度経済成長時代には、

「公共サービスは行政だけで担えばいい(お任せ民主主義)」

という暗黙の了解と発想でこれまで来てしまった。

その結果、われわれは

「自分たちのことは自分たちで担う(自治)」

という発想(体力)が落ち、

「共」

という

「大事な落とし物」

をしてしまった。

すなわち、本来

「自助→(互助→)共助→公助」

となるべき矢印のうち、真ん中が落ちて

「自助→公助」

となってしまった。

これでは

「常に開かれている場」

がたとえあったとしてても機能するはずがない。

また、震災以降に「NPO」という言葉の登場により、これが取り戻せるという期待もあったが、

「非営利」

という言葉で煙をまかれ、これまた「公共」とは微妙に切り離されてしまった。


しかしながら、経済も政治もグローバル時代に突入し、
また社会も情報化社会に突入したいま、社会の課題も年々
複雑になり、高度化し、多様化している。

この中で

「こうすれば解決する」

という単純な処方箋がなくなってきた。すなわちこれまで

「公共=行政」

にお任せしていただけではすまず、解決できない問題が増えて来た。

超高齢社会の問題、人口減少の問題などはその代表格であろう。


そんな時代に登場したのが、今回のテーマである

「フューチャーセンター」

なのである。

この概念自体は

「スウェーデンのレイフ・エドビンソン教授」

から生まれたものだが、これまでの議論からすれば、決して我が国で

「新しい」

ものではない。
(ついで言えば、「新しい公共」という表現も、正確に言えば、新しくない)

しかし、

「新しいように見える」

ところが、日本の今の

「縦割り社会(中根千枝の言葉で言えば「タテ社会」)

が生んだ病理(結末)を象徴している。


なので、結論的に言えば、私はこのフューチャーセンターの登場は

「公共や自治を今一度再定義し直すチャンス」

であり、もしかしたら

「最後の切り札と言えるのではないか?」

と思うに至った。

これが今回論じたかった結論である。


日本にこの概念を紹介した野村氏は以下のように指摘する。

「社会イノベ–ションは、ビジネスセクター(企業)、パブリックセクター(行政)、ソーシャルセクター(NPO)の3つのセクターのルールを
同時に変えることが求められるところに難しさがあります」(p.43)
「(中略)もしこの三者が一緒に対話をして、協調してアクションを起こすことができたら、たくさんの社会イノベーションが起き始める」(p.44)
「複雑な問題には唯一の論理的な答えはありません」(p.97)
「私のアプローチも、問題を分割して専門家が解決するパラダイムから、
本質的な問いから始まる多様なステークホルダー間の対話による創発のパラダイムへと変わって行かざるを得ません」(同)
「多くの社会的な問題は根っこでつながっていて、断片的には解決できないものばかりです。
だからこそステークホルダーを広げて対話を繰り返していくプロセスが重要」(p.124)


これはまさに

「公共」政策

の話であり、

「公政策」

に留まらないし、留めてはいけない。

また

「他治(力)」

にたよって来たわれわれが

「自治(力)」

を取り戻す最大のチャンスである。


日本の中で

「公共」あるいは「自治」

という言葉を一部の専門家や公務員、またNPOスタッフだけでなく、
国民全員が自分ごととして考える時代がきた。

このように言えば大げさであろうか。

それくらいの可能性を私は

「フューチャーセンター」

という言葉に感じている。


平成26年4月18日

杉岡 秀紀記  

Posted by 杉岡 秀紀 at 00:00Comments(0)大学生に薦めたい一冊

2014年04月15日

『もうひとつの「自治体行革」』(共著)

京都政策研究センターブックレット No.2
『もうひとつの「自治体行革」〜住民満足度向上へつなげる〜』











編 著:青山公三、小沢修司、杉岡秀紀、藤沢実
定 価:本体1,000円+税
発売日:2014年3月25日発行
概 要:これまで「自治体行革」というと、経費・人員の削減、事務事業・組織の見直し、一部業務の外部委託、給与の減、事業の減等々の「減らす」改革ばかりの「自治体行革」が実施されてきました。しかしその結果、果たして住民サービスや住民満足度は向上したのでしょうか。持続可能な自治・自治体のあり方は担保されたのでしょうか。もうしそうでないとすれば、何のための「自治体行革」か、翻って行革とは誰のための改革なのか、今一度考える必要があります。本書はこの視点から京都府大の教員と京都府の職員で協働研究を行ったまとめになります。
H P:http://koujinnotomo.com

  

Posted by 杉岡 秀紀 at 00:02Comments(0)著書・論文・エッセイなど

2014年04月15日

『地方自治を問い直す』(共著)

『地方自治を問いなおす〜 住民自治の実践がひらく新地平〜』











・編者:今川晃
・著者:以下のとおり
     今川 晃(同志社大学大学院教授)
     杉岡秀紀(京都府立大学講師)
     増田知也(京都地方自治総合研究所研究員)
     藤井誠一郎(行政管理研究センター研究員)
     北 建夫(大阪府森林組合三島支店参与兼支店長代理)
     加藤洋平(同志社大学大学院博士後期課程)
     三浦哲司(名古屋市立大学准教授)
     湯浅孝康(京都市教育委員会総務部学校事務支援室)
     野口鉄平(愛知地方自治研究センター研究員)
     山谷清秀(同志社大学大学院博士後期課程)
・判型: A5判
・頁数: 232頁
・発行年月: 2014年4月
・定価: 本体2,500円+税
・概要: 地域にくらす住民ひとりひとりの熱意にもとづく自治の実践こそ「地方自治の本旨」である――全章を通して現場と実践に焦点を当て、全国各地での実態調査と分析から地方自治論更新の必要性を導き出す。行政学者・佐藤竺名誉教授推奨。
・HP:http://www.hou-bun.com/cgi-bin/search/detail.cgi?c=ISBN978-4-589-03592-9
・購入サイト:http://www.amazon.co.jp/地方自治を問いなおす-住民自治の実践がひらく新地平-今川-晃/dp/4589035928/ref=sr_1_1?s=books&ie=UTF8&qid=1397559859&sr=1-1

http://www.hmv.co.jp/artist_今川晃_000000000548506/item_地方自治を問いなおす-住民自治の実践がひらく新地平_5709180

http://www.jbook.co.jp/p/p.aspx/4810175/s/~jbl

http://product.rakuten.co.jp/product/地方自治を問いなおす+住民自治の実践がひらく新地平/586e72eae82116863b721c5cb2f4fd0f/


  

Posted by 杉岡 秀紀 at 00:01Comments(0)著書・論文・エッセイなど

2014年04月15日

反転講義(ゼミ)は順転講義(ゼミ)

「反転授業」

という言葉があります。

教員が講義で一方的なレクチャーをするのではなく、
学生が宿題をしてきて、それを前提に

「発表&議論」

を中心に進めるスタイルの講義のことで、MOOKなど

「オンライン講義」

などの活用で最近注目されている言葉です。


今日の講義(約70名)では

「若者投票率を挙げるための方策」

というテーマで、それぞれがリサーチをし、プレゼンをしてもらいました。

個人で発表するのも、グループで発表するのも自由。

口答で発表するだけでも資料を使って発表するのも自由。

ただし、3分以内で、ミッション(課題)・解決策・メリットとデメリットを盛り込むこと、
という条件だけは共通化します。

このような講義スタイルにすると、学生は自ら調べるようになります。
問題意識を持つようになります。
グループで取組めば、議論する力やコミュニケーション力が向上します。
人前で喋るすることで、プレゼン力もあがります。

もちろん、これは講義終了時に課すこともできます。ただ、これではせっかく問題意識を持っても、
講義でいかすことができません。

講義の前半で実施することころに意味があると思っています。

要は

「自学の姿勢に火をつける」

のが最大のポイントだと思い、どの講義でもこのスタイルで私は進めます。


ところで、「反転授業」があるなら

「反転ゼミ」

もあって良いと思います。

大まかなテーマ(方向性)は教員が決めますが、

「当日の議事進行や細かい設計はすべて学生自身が考え、行う」

というものです。

この中で

・時間内に議事を滞りなくさばくタイムマネジメント
・全員が気持ちよく参加(発言)できるように考えるコミュニティマネジメント

が身に付きます。そして、

「自分たちで共に場をつくる(共育)」

という感覚も身に付きます。
(おまけとして、教員の苦労もわかります)

加えて、この進行役を全員が経験することにより

「一人一人の当事者性と相手のことを考える想像力」

が持つようになります。


「反転授業(ゼミ)」の際に教員として必要なことは、

・突っ込み過ぎず、引き過ぎないという「良い」加減の距離感
・あなたに任せる、とい信頼性

そして、

「成長を待つ」

という長期的視野だと思います。


ここまでつらつら書いてきて、何が言いたいかというと、

「反転授業(ゼミ)とはオンライン授業」

の独占物にしてはいけないということ。そして、

「反転講義こそが順転講義ではないか」

という問題意識です。

というのも、学びの主役は教員ではなく学生だからです。

また、学びはやはりリアルな空間を通じてしか完結しないと思うからです。

言い換えれば、PBLにせよ、アクティブ・ラーニングにせよ、

「学生が主体的に学ぶ、学生が主体的に学びたくなる自学の意欲に火をつける」

ことこそが大学(学校)、教員の役割であり、これは逆では何でもない、ということですね。

こんなことをふと今日は思いました。

至極当たり前のことですが、意外と当たり前が出来てなかったりします。

原点を忘れないように、ここに記しておきたいと思います。


平成26年4月15日
杉岡記  

Posted by 杉岡 秀紀 at 00:00Comments(0)杉岡日記より

2014年04月12日

ミラツクギャザリングin京都

ミラツクギャザリングin京都

日時:4月12日(土)14:00~17:00

会場:KYOCA 3F 講堂
    (JR山陰本線「丹波口」駅より南へ徒歩約10分)
    (アクセス)http://kyoca.jp/access/

定 員:30名

その他:参加者は、ミラツクのメンバー、理事、及び招待者に限る。

内容:第一部:スピーカーTalkセッション
         スピーカーからのプレゼンテーション、ストーリーテリングの後に、全体での対話の時間。

    第二部:ダイアログセッション  
         参加者それぞれからトピック(今取り組んでいる事、相談したい事、など)を出し合う、対話の時間。


第一部のスピーカー

■大阪大学 創造工学センター助教/FabLab Kitakagaya 津田和俊さん
http://greenz.jp/2013/12/10/fablab_kitakagaya/

■京都府立大学 公共政策学部講師/杉岡秀紀

■appRéciate 代表 杉浦いちこさん

■株式会社鯖や 店主 右田高有佑さん
http://www.torosaba.com/
  

Posted by 杉岡 秀紀 at 00:00Comments(0)講演・講座など