プロフィール
杉岡 秀紀
杉岡 秀紀
1980年、奈良県生まれ。2003年同志社大学経済学部卒業、2007年同大学大学院総合政策科学研究科博士前期課程修了。2009年同博士後期課程退学。臨床政策学者。周旋家。2016年から福知山に移住。

専門は、公共政策、地域政策、地域公共人材論、大学まちづり論、NPO論、大学評価論。

大学時代から環境問題、まちづくりに関心を持ち、2003年にまちづくりNPO「きゅうたなべ倶楽部」を主宰(発起人)。地域に開かれた大学祭の創造や商店街活性化、フリーペーパーの発行・産学連携ITプロジェクト・商品開発・リユースフェアなどのコミュニティビジネスを武器に京都府南部地域におけるまちづくりに取り組む。

2007年からは、いったん地域から離れ、霞ヶ関(内閣官房)へ。行政改革推進本務事務局にて、社会保険庁改革に従事する。

同志社大学政策学部嘱託講師(2009〜2014)、一般財団法人「地域公共人材開発機構」事務局総括(2009〜2012)、京都府立大学公共政策学部講師・地域連携センター副センター長(2012〜2016)を経て、2016年秋より福知山公立大学地域経営学部准教授。京都府立大学京都政策研究センター特任准教授。

社会貢献活動として、龍谷大学地域公共人材・政策開発リサーチセンター 客員研究員、一般財団法人地域公共人材開発機構常任理事、一般社団法人社会的認証開発推進機構評議員、NPO法人グローカル人材開発センター理事、NPO法人京都子どもセンター監事、きゅうたなべ倶楽部アドバイザー、真庭市政策アドバイザーなどを務める。

主な著書は、『地域力再生の政策学』(ミネルヴァ書房、2010年、共著)、『地域貢献としての大学シンクタンク』(公人の友社、2013年、編著)、『地域公共人材をつくる』(法律文化社、2014年、共著)、『住民自治を問いなおす』(法律文化社、2014年、共著)、『もう一つの自治体行革』(公人の友社、2014年、編著)、『持続可能な地域実現と大学の役割』(日本評論社、2014年、共著)、『地域力再生とプロボノ』(公人の友社、2015年、編著)『地域創生の最前線』(公人の友社、2016年、編著)、『自治体政策への提言』(北樹出版、2016年、共著)など。

大学時代(2000年)に結成したバンド「シカゴプードル」では、2003年に京都学生祭典(KYOTO STUDENT MUSIC AWARD)でグランプリを受賞。2004年にCDデビューも果たした(2006年に卒業)。

【HP】 http://sugiokahidenori.jimdo.com
【ブログ】http://e013.dgblog.dreamgate.gr.jp/
【facebook】http://www.facebook.com/hidenori.sugioka/

【主な受賞歴】
2002年 「REALIZE In Kyoto(京都府南部地域における学生による地域政策・ビジネスコンテスト)」グランプリ受賞
2003年 「京都学生祭典 全国学生音楽コンテスト(kyoto student music award)」グランプリ受賞(Chicago Poodle)
2003年 「同志社大学育英賞」受賞
2004年 「エコ京都21」認定(きゅうたなべ倶楽部)
2004年  関西文化学術研究都市「都市びらき10周年」感謝状授与(きゅうたなべ 倶楽部)
2005年  内閣府「生活達人」認定
2005年  京都人間力大賞ファイナリスト
2007年  日本都市計画家協会「全国都市再生まちづくり会議」奨励賞受賞(きゅうたなべ倶楽部)
2012年  京都府「明日の京都」推進特別賞(地域公共人材開発機構)
2013年 「第7回全国大学まちづくり政策フォーラム」優秀賞受賞(杉岡ゼミ)
2013年 「第9回京都から発信する政策研究交流大会」優秀賞(杉岡ゼミ)
2014年 「京都府立大学学長賞」受賞(杉岡ゼミ)
2014年 「第10回京都から発信する政策研究交流大会」京都市長賞、優秀賞受賞(杉岡ゼミ)
2014年  2013年度京都府創発事業認定(京都丹波・写ガール隊)
2015年 「第9回全国大学まちづくり政策フォーラム」優秀賞、政策マネジメント研究所賞受賞(杉岡ゼミ)
2015年 「2015年京都丹波観光プランコンテスト」優秀賞受賞(杉岡ゼミ・京都丹波・写ガール隊)
2016年 「第4回 京の公共人材大賞」奨励賞受賞(京都丹波・写ガール隊)
2016年 「第10回全国大学まちづくり政策フォーラム」優秀賞、政策マネジメント研究所奨励賞受賞(杉岡ゼミ)
2016年 「京都府公立大学法人 理事長表彰」(京都丹波・写ガール隊、地域連携センター学生部会かごら)
QRコード
QRCODE
アクセスカウンタ

2016年11月26日

京都・あやべスタイルと地方創生

いま綾部に良い風が吹いている。
もちろん風にも「追い風」と「逆風」があり、ただ吹いていれば良いというものでない。
ご多分に漏れず綾部も人口減少の波にさらされている。人口は35,000人を切った(11月1日現在で34,586人)。
その意味においては「追い風」とともに「逆風」も吹いている、というのが正確だろうか。
しかし、明らかに逆風よりも強い「追い風」が吹いているのが私の実感である。

その最新の「追い風」となったのが今月発刊された

『驚きの地方創生〜京都・あやべスタイル』(蒲田正樹、扶桑社新書、2016)

サブタイトルは

「上場企業と半農半Xが共存する魅力」

本からも抜粋しつつ、少し綾部の魅力をフレーズ的に記してみる(本にはないことも記載)。

①京都府最大級の古墳(私市円山古墳)がある(しかも古墳の下に高速が通っている)。
②国宝(聖徳太子開創の光明寺仁王門)がある。
③足利尊氏の産湯に使った井戸がある。
④平家の落人が隠れ住んだと言われる地域(黒谷)があり、和紙が有名である(地元学校の卒業証書も黒谷和紙)。
⑤大本教や合気道の発祥の地であり、精神性が高い。
⑥お茶,お米、イノシシ・鹿などのジビエ、栗や黒豆、北大路魯山人が絶賛した鮎など美味しい食がある。
⑦グンゼの発祥の地であり、現在綾部本社やバラ園、記念苑がある。また、精密ねじのトップメーカー日東精工の本社があるなど上場企業の本社がある。
⑧京セラ、カルビー、住友理工などの全国的にも有名な企業が入る工業団地がある。
⑨FMいかる、あやべ市民新聞など地域に溶け込み、信頼されているローカルメディアがある。
⑩星がきれい。スターウォッチングができる天文館(パオ)もある。
⑪全国に先駆けて「世界連邦都市宣言」をし、現在234都市に広がっている。
⑫2006年に水源の里条例を制定し、日本で一番少ない水源の里4人の古屋の地域づくりは全国的に注目される
(住民現在170自治体が参加する連絡協議会の事務局も担っている)
⑬半農半Xという生き方を提唱した塩見直紀さんがおられ、全国、世界に半農半Xのコンセプトを発信
⑭若い世代や手に職を持ったIターン者がどんどんと転入しながら、新しい地域づくりに励む地域(志賀郷)がある。
⑮「森の京都」の地域として、木材市場や加工場、また小学校の空き校舎を活用した里山交流センターがある。


といった具合である。まだまだあるが、これくらいで十分すごさは伝わると思う。

とかくこうした魅力を全国に発信してくれたのが鎌田さんの綾部本であった。


さて、そんな綾部を舞台に今月23〜25日に総務省の外郭である(一社)地域活性化センターと一緒に

「地方創生実践塾」

https://www.jcrd.jp/index.php?option=com_content&view=article&id=1394:平成28年度第8回地方創生実践塾_京都府綾部市「地域資源を最大限生かした企業・npo・市民・行政協働のまちづくり」&catid=87:practice&Itemid=609

を企画させて頂いた。

主任講師は私が務め、これまでの綾部での演習経験をベースに全国の自治体職員向けにアレンジを加えて、
とかく綾部を5感で触れられる機会をつくらせてもらった(上記で言うと⑥⑦⑨⑫⑬⑮)。

その名(タイトル)も

「地域資源を最大限活かした企業・NPO・市民・行政のまちづくり」

幸いすぐに定員(36名)が埋まり、キャンセル待ちも出た。概要は以下のとおり。

【11月23日(祝・水)】
12:30~13:00 受付(グンゼ記念館)
13:00~13:05 開講式
13:05~13:50 講義1 松原哲也 氏 / 朝子直樹 氏(綾部市職員)
           「綾部の地域振興施策~定住促進と水源の里」
13:50~14:50 フィールドワーク1 グンゼ㈱ 「グンゼ記念館の見学」
14:50~16:00 講義2 塩見直紀 氏(半農半X研究所代表)
           「地域資源の見つけ方/新しいコンセプトのつくり方/情報発信方法について」
16:00~16:45 講義3 杉岡秀紀(福知山公立大学准教授) 「フィールドワークとソーシャルデザイン」
17:30~19:30 交流会 ※山﨑市長も参加

【11月24日(木)】
8:30~ 9:00 講義4 朝倉 聡 氏 「綾部市里山交流研修センターでの校舎活用」
9:15~10:00 講義5 伊東宏一 氏(京都丹州木材協同組合理事長) 「京都丹州木材市場について」
10:00~10:10 フィールドワーク2 同上 「木材せり市(秋の特別市)の見学」
10:50~11:50 フィールドワーク3 山城睦子 氏(黒谷和紙協同組合専務理事) 「『黒谷和紙工芸の里』の見学」
12:10~13:30 昼食
14:00~17:00 フィールドワーク4 渡邉和重 氏(古屋自治会長) 「『水源の里・古屋』の見学と交流」
18:00~19:00 夕食

【11月25日(金)】
8:30~ 9:00 講義6 村上 正 氏(空山の里理事長) 「地域の売店を守る~『空山の里』の取り組み」
9:00~ 9:45 講義7 長島啓子 氏 (京都府立大学助教)「GISを活用した森林・林業の新たな情報戦略」
9:45~10:30 講義8 宮藤久士 氏 (京都府立大学教授)「新たな木材・木質バイオマス利活用の活性化策」
10:30~12:00 ワークショップ 青山公三 氏(京都府立大学京都政策研究センター長) & 中越 豊 氏(京都府) 「森の京都のさらなる活性化策」
12:00~12:05 閉講式
12:05~12:15 フィールドワーク5 「『空山の里』見学」

3日間で出たキーワードをざっと記してみよう。

・水源の里 
・上流・下流 
・郡是 
・日東精工 
・世界平和宣言 
・波多野鶴吉
・前田正名
・川合信水 
・半農半X 
・コンセプト 
・フィールドワーク 
・ソーシャルデザイン 
・小学校活用 
・丹州材 
・海は森の恋人 
・黒谷和紙 
・限界集落 
・とちの実 
・先人の知恵 
・諦めない 
・極楽 
・空山の里 
・GIS
・森林情報 
・適地適材 
・バイオマス 
・CLT 
・森の京都
・空山の里
・フューチャーデザイン


これらの多くは本来一つ一つを丁寧に掘り下げるべきくらいの大きなキーワードであろう。
しかし、バラバラに感じるのではなく、シャワーのようにキーワ―ドのシャワーを浴びることで
初めて見えてくるものもある。

それがまさに冒頭で述べた

「綾部に吹く風」

というものなのである。


ここで全体をコーディネートさせて頂いた立場から3日間の学びを私なりに3点ほど整理してみたい。

①お腹と背中、表裏、陰陽

1点目は地域は常に「お腹と背中(表裏、陰陽)を見ないといけない」ということである。

たとえば、綾部にはこんな言葉がある

「上流は下流を想い、下流は上流に感謝する」

これがまさに水源の里の語源にもなっている。

この哲学は宮城から生まれた

「森は海の恋人」

とも通底するものがある。とかく片方だけから見るのは危険であるという警鐘でもある。

このことは地方創生とて同じことで、東京から見れば「地方創生」かもしれないが、
地方から見れば「地域創生」「地域づくり」、もっといえば「日常」に過ぎない。

限界集落や人口も同じである。数だけでれば限界に見えるかもしれないが、
綾部の古屋の渡辺さんのお話は平均80歳を越え、働き続けるおばあちゃんたちの背中を見ると、
そこには

「可能性集落」

と呼びたくなるヒントがたくさんある。

つまり、人口も数だけで見るのではなく、

「人生の数」

と見なくてはいけないのである。


②ビスマルク名言の修正

「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」

この言葉は宰相ビスマルクの言葉であるが、綾部というまちはまさに
歴史に学び、歴史を活かし、歴史をつくっている。

しかし、綾部では、過去から現在のベクトルだけに留まらない。

グンゼ博物苑に行くと、そこには50年後の綾部を描いた素晴しい絵を見ることができる。
すなわち、単に過去だけでなく未来、換言すれば

「フューチャーデザイン(7世代後の社会を考える)」

もかいま見ることもできるのである。

その意味ではビスマルクの言葉も

「愚者は経験に学び未来をつくれず、賢者は歴史に学び未来をつくる」

と言葉を補った方が良いのかもしれない。


③最後はひと、最後は気

「まちづくりはひとづくり、まちづくりはファンづくり」

と昔から言われる。その通りである。

先ほどのキーワードの中にも多くの人物名が出てきているのはその証左であろう。

しかし、もう一歩踏み込むならば、

「最後は気」

ということも言えるのではないだろうか。どれだけ素晴しい能力をもった人や条件が揃っていても、

「やる気、勇気、元気、根気、負けん気」

がなければ資源も人も活かしきれない。京セラ創業者の稲盛和夫氏もかつて

「情熱×能力×考え方が重要」

と言ったが、この考え方がまさに「気」に通ずる。

この点については、古屋自治会長の渡辺和重さんが実に面白いことを仰っている。

「限界をアルファベットで書くとGENKAIですよね。このA、すなわち「諦め」を取ったらどうなりますか?GENKI(元気)になるでしょう」

ウィットにも富み、至言である。

まさに実践者、現場ならではの実感が込められていると思う。


言うまでもなく、この研修だけだけで、参加者のマインドが全て変わる訳でないし、
またただちにその地域が180度変わるわけではない。そんな打ち出の小槌はこの世に存在しないし、
存在すべきでもない。

しかし、何かしらの「次に一歩踏み出すための気づき」が提供できたのであれば、企画者冥利に尽きるというものである。
何よりそのような資源(たから)で綾部はじめ府北部は溢れている。


最後に冒頭のあやべ本の帯に寄せた藻谷浩介氏のコメントで締めくくるとしよう。
これが今回の綾部における研修、そして綾部の魅力を一言で言い当てている。

「綾部は世界のどこに出しても胸を張れる、全国でも数少ない街。ここに日本と世界の先端があります」


追伸

企画段階からお世話になった地域活性化センターの皆さん、地元のコーディネートと会場提供を頂いた里山ねっと・あやべさん、
講師役をお務め頂いた皆さんにこの場をお借りして、改めて感謝申しあげます。

平成28年11月26日
杉岡 秀紀 記

  

Posted by 杉岡 秀紀 at 00:00Comments(0)杉岡日記より

2016年11月20日

【書評】『未来につなげる地方創生〜23の小さな自治体の戦略づくりから学ぶ〜』

内閣府地方創生人材支援支援制度車編集チ–ム編『未来につなげる地方創生〜23の小さな自治体の戦略づくりから学ぶ〜』日経BP、2016 読了。

いわゆる「日本版シティマネージャー」として昨年度実施された地方創生性政策の成果と課題をとりまとめた書。

横浜や氷見市、うきは市のように、これまで国家公務員や民間人材が自治体職員になった例はないことはないのだが、

①人口5万人未満(全国に約1200)の自治体に派遣
②国家公務員や民間企業だけでなく大学教員も含めて派遣
③副市長からアドバイザーまで多様なポストで派遣

という例はなかった。

その数127自治体(事例)。

これを多いと見るか、少ないと見るかは評価が分かれるだろう。また、そもそも1年という短いタームかつ、戦略づくりが中心であり、実施部分が手薄であるとの指摘は免れないだろう。

しかし、本書を拝読すると、少なくとも紹介されている23の自治体では「よそ者」ならではの活躍があり、何かしらの良い変化(成果)が起きているようだ。

残り100ちょっとの成否も気になるところであるが、ともあれ「まちづくりはひとづくり」「まちづくりはファンづくり」の立場から見れば、人に投資をした政策的意義は一定合ったのだと思う。

あとはこうした点を線にすべく、国側も地域側も単発で終わらせない工夫が必要である。

むしろ試されるのはこれから、と言えるだろうか。

https://www.amazon.co.jp/未来につなげる地方創生-23の小さな自治体の戦略づくりから学ぶ-内閣府-地方創生人材支援制度-派遣者編集チーム/dp/4822235726/


  

Posted by 杉岡 秀紀 at 00:34Comments(0)杉岡日記より掲載記事など

2016年11月19日

みんな×みらい×みえるまち

ロボット職員 
庁舎不要 
バーチャル授業 
自動運転による
泳げる川
イルカが見える海
草刈りルンバ
芸能人に人気の豆ッコ米 
制服が着物
みんなで子育て・孫育て
高齢者・障がい者という言葉を無くす 
高齢者シェアハウス


これらは全て一つの自治体の職員から出てきた

「24年後のまちの未来像」

である。非常に創造的な視点、アイディアばかりである。

現在、京都府与謝野町では未来思考の面白い動きが起きている。

対象は行政の最上位計画に位置づけられる総合計画づくり。
与謝野町は3町の合併で出来たまちであるが、来年度に第一次総計が終了することを受け、第二次総計では、

①みえるまちのためにつくる(創造的計画)
②みらい志向でつくる(長期的計画)
③みんなでつくる(総合的計画)


という3つのコンセプトで総計づくりを始めているのだ。
(私は総合計画策定アドバイザーとして伴走している)

今年度は③みんなでつくるを実践するために、まずは職員のコアチームをつくるべく、
約30名の若手職員に集まって頂き(町長から正式に委嘱)、

①(自治や最近の手法を)学ぶ
②(未来思考を)体感する
③(当事者意識や能力を)高める


をキーワードに月一回のペースで職員研修を進めている。

①については、先月、市長経験もある福知山公立大学の富野暉一郎副学長から「総合計画と職員参加、住民参加」について、
高知工科大学教授の西條辰義教授から「フューチャーデザインとは何か」について、そして、
issue+designの白木彩智さんから「高知県佐川町におけるみんなでつくる総合計画」の取組みについて学べる場をつくり、
基礎的な情報や方向付けを確認した(私も総合計画と人材育成について少しだけレクチャー)。
佐川町については担当職員のお二人と一緒に現地にも話を伺いに行った。

②については、地元のNPOやファシリテーションに定評がある企業のお力も借りながら、
今月から

「第一次総計の未来志向で棚卸し」

を実践している。

原課かどうかよりも、職員一人ひとりの関心に沿って、そして未来思考で
前期計画、後期計画の全30施策を検証するのが最大のポイントである。
言うまでもなく、未来を構想するためにも、まずは過去から現在をしっかりと見る必要がある。

また、③については年が明けてからファシリテーション研修を組み込んでいる。
これは来年度から、住民参加、協働による計画づくりに進めるために
自治体職員自らのファシリテート能力を高める必要があるからである。

さて、そんな枠組みで進む中で、昨日の研修後の交流会で、職人の何名の方から実に嬉しいコメントを聞くことができた。

「未来思考で議論するのはとにかく楽しい、ワクワクした」
「入庁してからこんな本気でまちのことについて語り合ったことはなかった」
「今の仕事を越えて、自分の想いや考え、アイディアを言える場があって嬉しい」


中には涙目で感想を訴えてくれる職員の姿も。

ここで考えたいのは、この感想が意味することは何かということである。
すなわちそれは、

①職員の多くは自分なりの様々な思いや考え、アイディアがあるにも関わらず、それを表現したり、伝えたりする場が少ないのではないか?
②職員の多くは自らの業務に忙殺され、また目の前の住民の対応、目の前の課題解決をすることだけで妥協的満足しているのでないか?
③職員の多くは志や想いを同じくする仲間が庁内外にいるにも関わらず、課や組織を越えて、つながる機会が少ないのではないか?


とのシンプルな問い、それでいて本質的な問題意識である。

もしそれが現実とするならば、本当にもったいないことだと思う。

職員の人材育成は人事課や職員課マター、またOJTこそが最大の人材育成である、との声が聞こえて来そうであるが、
それはそれで必要として、私言いたいのは、

「まち全体のことを構想するまちづくり条例や総合計画、総合戦略づくりこそ人材育成の最大のチャンス」

ということである。

なぜなら、この計画(条例)づくりこそ、立場や年齢を越えて、対等に議論できる最大のチャンスであるからである。

さらに言えば、過去から現在の時間軸だけで議論すると、どうしても人生の先輩の方が発言力が大きくなりそうであるが、
未来思考の視点を入れることが出来れば、むしろ若い人ほど未来に責任を持って議論でき、全体としてもバランスがよくなる。

そして何より、実践してみて初めて実感できることであるが、

「未来を語ることは楽しく、議論は実に創造的になる」

何事も楽しくないと続かない。
これは趣味でも仕事でも同じである。

ぜひこれからの総合計画等を作られる自治体においては、
楽しい未来をつくるためにも、計画づくりに未来思考と人材育成の視点を入れることをお薦めしたい。

最後にこれは与謝野町だからできるのでは?という質問が聞こえてきそうなので、一言付言をしておきたい。

確かに与謝野町では私よりも若い町長(山添藤真町長)が誕生し、新しい風が吹き始めている。
しかし、私が感じるのは、それはあくまできっかけであり、職員の皆さんこそが
その新町長の志に共感し、むしろ新しい風を吹かしているのではということである。
そして、徐々にだがその風に共感する住民の皆さんの輪も広がりつつある。

こうした動きを1自治体で終わらせるのはもったいない。

すべてはみんなのまち、みらいのまち、みえるまちのために。

平成28年11月18日

杉岡 秀紀




  

Posted by 杉岡 秀紀 at 00:00Comments(0)杉岡日記より

2016年11月14日

ルポ「合併しなかった自治体の将来を考えるシンポジウム@産山村」

全体コーディネーターであった故今川晃先生に生前中にグループ討論のファシリテーターを依頼されたご縁で、
去る11月13日に熊本県産山村で開催された「合併しなかった自治体の将来を考えるシンポジウム」に参加してきた。
テーマに興味があることはもちろん、今川先生との約束を果たす意味もある。
ここではそこでの議論を少し紹介したい(14日も開催されたが参加できなかったため一日目のみ)。

13日は市原正文村長による開催の挨拶の後、実行委員長であり、九州大学名誉教授の木佐茂男氏から趣旨説明があった。
木佐教授によれば「合併したまちについてはいくつか論文があるが、合併しなかったまちの検証論文は殆どない。
したがって、その部分を検証する必要がある」という。いわずもがなこれが今回の開催主旨である。

周知のとおり、平成11年4月から平成22年3月までの時限法として施行された「市町村の合併の特例等に関する法律」
に基づき、国は合併特例債や地方交付税の合併算定替えなどの財政支援策をはじめとするさまざまな優遇措置を示した。

この「平成の大合併」により、平成11年には3232あったわが国の市町村の総数は、平成28年現在で1718にまで大幅に減少した。
他方、他市町村との合併を選ばず単独で生きていくことをきめた自治体も多かった。
今回訪れた熊本県産山村も平成15年に単独で生きていくことを決断している。

合併を選ばなければ地方交付税の減少により生き残りは難しいとまでいわれた小規模自治体。
産山村の場合はここにさらに「非合併」という修飾語がつくのだが、合併から13年。
本当に自治体としての生き残りは難しくなったのであろうか?

事実は想定より奇なりである。

産山村村議会議員の渡辺裕文氏及び地元熊本県立大学の小泉和重教授の報告によれば、
産山村におけるこの10数年の財政状況は、歳出規模=拡大、積立金=増加、地方債残高=現象、という結果であった。
つまり、当初の国(総務省)のねらいや懸念と現実は全く違う結果になったのである。
このことは県内の近隣市町村にも同様のことが言え、しかも、合併・非合併の差もほぼなかったという。
あの合併とは一体何だったのだろうか?まさに狐につままれた気分になる。

この後も貴重な報告が続いた。
小泉教授と同じく、地元熊本の大学教員である原島良成准教授からは行政法の専門家の立場からの報告があった。
中でも印象的だったのは、「自治体はつまるところ権力(機構)。その意味で行政と住民は本来距離を置くべき」、
「小さい自治体では職員だけでなく、議員の役割がより重要になる。村民自治の第一義は議会が担うべき」という提案。
確かに地方自治は二元代表制であるので、この議論は理論的、理念的にはよく理解できる。
しかし、実際の住民参加や市民参加の多くは行政が仕掛けるものが多いわけで、翻って、
「行政<議会」で住民参加を進めているという事例はあまり聞いたことがない。
その意味である種で盲点をつかれる問題提起であった。

前半最後は、立教大学の原田晃樹教授からの「コミュニティ・地域活性化の面」からの報告。ここでは「地域活性化は大事。しかし、飽和状態にあるコミュニティの活動にさらにがんばりを強いると悪循環に陥り、
取り組めば取り組むほど疲弊する面にも目を向けないといけない」「リーダー待望論は理解するが、俗人的リーダーは持続可能でない」との指摘があった。
今回のシンポジウムの開催にあたり、先の渡辺議員が取った村民アンケートにも「このまちにはリーダーいない」「産山村の再生にはリーダーが必要」
との意見が多く散見されただけにこの指摘はまさに今後の地域再生、地域づくりの警鐘となりそうだ。

最後はこれらの報告を受け、5グループ(1グループ10人前後)に分かれてのグループ討論を行った。
グループ討論テーマ及びファシリテーターは以下のとおり(筆者はCグループを担当)。

A:合併しなかったちいさな自治体の財政・財務上の課題・悩みは
(増田知也・同志社大学政策学部 助教)
B:ちいさな自治体のよいところを徹底的に洗い出そう
(高木正三・ふるさと食農ほんわかネット・『ドリーム』編集長)
C:地域の暮らしと文化を支える地域共同体をこれからどうするか
(杉岡秀紀・福知山公立大学地域経営学部 准教授)
D:地方創生・ちいさくてもみんながイキイキと暮らせる村づくり
(堀田和之・岐阜県土岐市職員、同志社大学博士課程)
E:震災復旧・復興にかかる連携と課題
(木ノ下勝矢・特定非営利活動法人 レスキュー・サポート九州代表理事)
各グループ報告…16:40~17:05

対話の時間が1時間前後しかなかったため、十分な対話までは至らなかった面もあるが、
最後の全体共有では以下のような意見、提言がなされた。

いずれも重要な視点で、産山村に限らず、1万人未満の小規模自治体、
とりわけ非合併の自治体には通底する内容と言えるのではないだろうか。

(1)産山ではこれからも合併を前提とせず、「小規模自治体」である強みを活かしながら、
  健全な行政運営を維持継続することはもとより、県や他市町村とも連携しながら村民自治、団体自治
  を進化、深化させていくべきではないか?【グループA】。

(2)産山村ならではの良いところである、山、森林、牧場を代表とする「豊かな自然」や、赤牛に代表される「豊かな食」、
 そして何より「豊かな人間関係(村民同士との距離の近さ、役場職員や議員と村民との距離の近さなど)」の価値を再認識し、
 これら地域の宝により磨きをかけていくべきではないか?【グループB】。

(3)がんばる特定の個人や地域、自治体の努力が徒労に終わらないように、地域の課題解決を担うNPOや若者による住民団体と
  積極的に連携しながら新しいスモールビジネスを創出し、まちに雇用と人財を呼び込む仕掛けづくりに励むべき。
  また住民同士が未来を語り合える場をつくり、村民主導により持続可能な地域共同体のあり方も模索し続けるべきではないか?【グループC】。

(4)生き生きとした地域づくりのために、行政は政策づくりのプロセスに必ず「村民参加」の視点を入れ、村民の代表である議
  会とも連携しつつ、「村民ファースト」の政策づくり、そして、人材育成に努めていくべきではないか?【グループD】

(5)先の熊本地震や阿蘇山噴火で培った防災や減災についての教訓やノウハウを日常の生活に活かすとともに、自助・共助・公助の役割分担に
  基づいたコミュ二ティづくりに励むべきではないか?また、この防災、減災の重要性を次代に継承する必要があるのではないか?【グループE】。

ともあれ、合併、非合併にかかわらず、人口減少や少子高齢化、地域産業の衰退、公共施設マネジメントなど、
地域課題は年々多様化、複雑化の様相を呈しており、ここ産山村も例外でない。

ひるがえって、地域の宝をいかして活力のある魅力的な村づくりをいかにして実現していくかを、
地方創生ともからめて「官・学・民」の知識と知恵と体験とを総合して、はばひろく展望する時が来ているとも言える。

その意味で、市町村合併や地域自治に関心を持つ産山村の村民、役場(職員)、議会(議員)、そして全国から研究者が集い、
2日間に渡り、様々な報告や討議、また多様な意見交換が出来た点は有意義であった。

明日はこれらの問題意識を元にさらなる議論が交わされ、最終的には「産山村宣言」としてまとめられた後、
村内外に発信されると聞く。

「スモール(ヴィレッジ)・イズ・ビューティフル」という本を著したのはシューマッハであっただろうか。
まさにこの言葉は産山村にお似合いのスローガンである。

最後になるがこうした概念や価値観、様々な気づきやヒントを教えてくれた産山村の皆さん、参加者の皆さん
そして、何より実行委員長の木佐先生、紹介くださった故今川晃先生に心から感謝申し上げたい。


平成28年11月14日

杉岡 秀紀


(参考)
当日のプログラム
【11月13日(日)】
(1)受 付 13:30~14:00
(2)主催者挨拶 14:00~14:05
(3)シンポジウム開催
① 趣旨説明…木佐茂男(ふるさと食農ほんわかネット・九州大学名誉教授)14:05~14:10
 
② パネルディスカッション…14:10~15:30
ア、 コーディネーター:今川晃(同志社大学教授)
(今川教授が9月24日急逝されたため、実行委員会代表または他の研究者が代行)
イ、 シンポジスト
小泉和重(熊本県立大学教授)…自治体財政からの面
原島良成(熊本大学准教授)…地方政府の自律の面
原田晃樹(立教大学教授)…コミュニティ・地域活性化の面
渡辺裕文(産山村村議会議員)…合併しなかった満足と不満

③ グループ意見交換会
(ファシリテーター=議論を進行・充実させる係を置きます。カッコ内は各グループのファシリテーター)
A:合併しなかったちいさな自治体の財政・財務上の課題・悩みは
(増田知也・同志社大学政策学部 助教)
B:ちいさな自治体のよいところを徹底的に洗い出そう
(高木正三・ふるさと食農ほんわかネット・『ドリーム』編集長)
C:地域の暮らしと文化を支える地域共同体をこれからどうするか
(杉岡秀紀・福知山公立大学地域経営学部 准教授)
D:地方創生・ちいさくてもみんながイキイキと暮らせる村づくり
(堀田和之・岐阜県土岐市職員、同志社大学博士課程)
E:震災復旧・復興にかかる連携と課題
(木ノ下勝矢・特定非営利活動法人 レスキュー・サポート九州代表理事)
各グループ報告…16:40~17:05
 
④ まとめ(総括)…原田晃樹 17:05~17:15

【11月14日(月)】
(1) みんなで語ろう…9:00~10:00
(2) 産山宣言
*11時解散の後、地元ならではのエクスカーション企画。




  

Posted by 杉岡 秀紀 at 00:00Comments(0)杉岡日記より

2016年11月13日

「職業=公務員+◯○」を標準モデルに

去る11月11日、長野県塩尻市から塩尻市の職員である

「山田崇さん」

に舞鶴にお出で頂きました。

山田さんはこの業界では有名人で、

「元ナンパ師発の地域に飛び出す公務員」

として全国的に名を馳せた方です。

具体的には、商店街再生のために自らが空き店舗を6つ借り(もちろん私費)、
行政としての商店街政策を有効なものにするために、そのヒントやエビデンスを直接集めつつ、
そこで、市民としての顔で直接実践もしている地域に飛び出す公務員です。
(現在は政府の地域活性化伝道師にも認定)




山田さんとの出会いは今から3年前、2013年の

「日本協働政策学会」
http://www.kyodoseisaku.jp/02/kenkyu.html

でした。私もパネラーとして登壇していたのですが、
確か2日目に講演をされ、その時に

「世の中にはここまで出来る地方公務員がいるんだ」

と衝撃的な出会いをしたことを昨日のことのように思い出します。

そのご縁から翌年2014年には前任校の講師としてお招きし、

「地域に飛び出す公務員セミナー」

http://www.kpu.ac.jp/contents_detail.php?co=ser&frmId=4379

という、京都でも山田さんのような働き方を追求する人を
広めたい、応援したい、という特別企画を作りました。

そして、今年2016年は

「ソーシャルイノベーションサミットー人を巻き込むモテる公務員と未来を創る–」

http://www.city.kyoto.lg.jp/sankan/cmsfiles/contents/0000198/198015/SILK_summit_160716.pdf

ではたまた京都でご一緒させてもらいました。
(良いタイトル付けられましたよね〜)

さて、そんな山田さんをぜひ京都「市」ではなく、京都「府」に呼びたい、いや、呼ぼう!、
というのが11月11日のイベントの概要になります。

「まちづくり=ひとづくり」

と言われて久しいですよね。

だからこそこれまで京都市内で留まっていた超一流の方をお呼びしての企画を府北部で構想し、

「本物に直接触れる、交流する、価値を交換する」

きっかけを創る、というのが私の役割と認識しています。
(山田さんには「こんなに遠いと思わなかった」と言われてしまいましたが笑)

というわけで、ようやく講演内容ですが、山田さん講演から響いた至言は以下のようなものでした。
(中には山田さんが言われた言葉もあります)

「行政をまたない」
「小さいことから始める」
「まずやってみる」
「時間外の意味を考える」
「大事なことは全てナンパから学んだ」
「モテたいから始める」
「目的はあえて決めない」
「一人で円陣は組めない」
「手柄は全部山田くんのもの。失敗したら私のせいにしなさい」
「公務員が元気になれば、地域に元気になる」


これだけ見ても伝わりませんよね?雰囲気を味わいたい方はぜひ下記をご覧ください。
また会う度ごとに進化されていますので、最新の山田さんはぜひ直接お会いしてみてください。

http://logmi.jp/23372

ここで一番注目したいのは

「時間外の使い方」

です。

というのは、ややもすると公務員の世界は

「職務専念義務=兼業禁止」

の思い込み、刷り込みで

「公務員としての自分」

に拘泥し過ぎ、

「二枚目の名刺」

を持つ第一歩を踏み出せていない方があまりにも多いからです。

はたしてこれは政府の

「働き方改革」

や、民間ベースで出てきた

「パラレルキャリア」

の時代にマッチしていると言えるのでしょうか?
公共の世界で言えばこれこそが、これこそが

「地方創生、地域創生」

への最大の一歩になるのではないでしょうか?
このメッセージを山田さんは発しているのです。

しかし、これは実は決して新しい話ではありません。
公務員には3つの顔があると言われますよね?

①公務員
②労働者
③市民

実は、山田さんの活動はこの全ての顔をフルに活用しているだけ、とも言えます。
すなわち、実は

「山田さんこそが標準モデルと見るべきで、山田さんを先進モデルとして見てはいけない」

というのが私の考えです。

というのも、先進モデルと見ている限りは

「あれは彼だからできること」「あれは塩尻だからできること」

と矮小化してしまい、出来ない理由(やらなくても良い)を作ってしまうからです。

事実は逆だと思います。

最小の費用で最大の効果を挙げるためにも、全体の奉仕者として、住民福祉の向上に資するためにも、

「①〜③を意識し、アクションする公務員こそが標準」

と理解すべきと思うのです。

確かに府北部をはじめ、私の周りの公務員の方は

「2枚目の名刺を持った公務員」

が実に多いです。しかし、こういう皆さんは実は役所では変人扱いされたり、
時には冷遇されることもあると聞きます。

ここに風穴を開け、むしろこういう意識を持った方々を標準と捉えられる社会を創りたい。
これが私の今回山田さんを招聘した最大の理由であり、ねらいです。

こういう話をすると、

「自分はPTAや消防団など地域の仕事もしてすでに2枚目、3枚目の名刺を持っている」

と仰る方も多いと思います。それはそれで当然でして、ここでいう2枚目の意味は、
これまでの伝統的な役割や地域の役割に加え、

「その活動を公言し、職場から認められ、まち政策にいかす」
「自治体やまちの枠を越えた活動につなげ、新しいネットワークや風をまちに持ち込む」
「それを匿名ではなく、積極的に名前と顔を出して発信する」

という性格、性質までを帯びたものです。

ともあれ、まだまだ琵琶湖に小石を投げているくらいの取組みですが、
ぜひこの輪を拡げたい、拡げなければ、地方自治の明るい未来はないと思います。

「職業=公務員+◯○」

全国がこんな公務員で溢れれば地域は必ず変わりますよね。

「昔は山田さんとか少数の人の独占物だったけど、今じゃ当たり前だよね」

という台詞であふれる時代が来る日を信じてます。

平成28年11月12日

杉岡 秀紀 拝  

Posted by 杉岡 秀紀 at 00:00Comments(0)杉岡日記より

2016年11月07日

政策コンペの効用

昨日は「日本地方政治学会・日本地域政治学会」(2つの学会のように見えるが、これで1学会)の
2日目に実施された学生による政策コンペ

「現代政治コンペ」

に審査委員長として参加してきた。

より正確には、元々「司会」として参加するだけの手はずだったのだが、審査委員長であった私の恩師の急逝を受け、
はからずも司会だけでなく、「審査委員長」という大役も兼任することになったのである。

私ではどう考えても恩師の代わりは務まらないのであるが、恩師への孝行ということで、
恩師になり代わり何とか務め上げることができ、安堵している。


それはさておき、今回のコンペも実に面白かった。

実は私も政策コンペと名のつくものは、これまで4つくらい関わって来ており、

①日本公共政策学会学生政策コンペ
http://ppsa.jp/prize_2.html
②全国大学まちづくり政策フォーラムin京田辺
http://www.kyotanabe.jp/soshiki/4-10-0-0-0_9.html
③京都から発信する政策研究交流大会
http://www.consortium.or.jp/project/seisaku/conference/2014-1
④京都丹波観光プランコンテスト
http://www.kpu.ac.jp/contents_detail.php?frmId=4576

などに学生と一緒に出場し、賞もいくつか頂いてきた。
なので、「出場する側」「引率する側」としての楽しみと苦しみは痛いほど分かっている。

また、この9月に恩師や研究仲間と一緒に

『自治体政策への提言〜学生参加の意義と現実〜』
http://www.hokuju.jp/books/view.cgi?cmd=dp&num=995&Tfile=Data

という政策コンペを主題にした本を共著で上梓させて頂き、学生による政策コンペの実際を客観的にもまとめさせてもらった。

その意味においては、教育ツールとしても、研究テーマとしても個人的に関心が高いのであるが、
今回の「現代政治コンペ」もこれまでの政策コンペに負けじと劣らぬ面白さがあった。

今年のテーマは「18歳選挙権と主権者教育」の1テーマであったのが、それでも10者10様のプレゼンが聞かれた。

ここでせっかくの機会なのっで、改めて今回の現代政治コンペから抽出できる「政策コンペ」の効用を考えてみると、
大体以下の7つに収斂するのではないだろうか。

①共通テーマがあることで、プレゼンする方も聞く側も論点がシャープになり、展開しやすい。
②同じ学会であったとしても指導教員の専門はバラバラであり、それぞれ多様なアプローチがあることを確認できる。
③全国から複数の大学(生)が参加し、コンペ中は競争関係にあるが、終わればノーサイドで大学を越えた友人を得る機会となる
④自分のゼミを越えた教員や学生から助言や感想をもらうことにより、いつもと違う角度からのフィードバックを得られる。
⑤聞いている教員や学生自身も、「なるほど、その切り口(アイディア、アプローチ等)があったか」とのアイディア発見の場となる。
⑥学生にとっては、政策コンペに参加する過程で、調査研究力を向上させられ、卒論などの予行練習になる。
⑦チームとして参加することで、調整力や対人コミュニケーション力やプレゼン力も向上する。

これ以外にももちろん突き詰めて考えればまだ他にもあると思うが、主だったものはこれぐらいであろう。

ともあれ、今回は審査側のみで引率がなかった分、緊張はなかったが、
逆の(審査される)立場だと、教員サイドも審査発表の瞬間はドキドキとなる。

今度関わる政策コンペはどういう形で関わるか分からないが、関わるからにはトップを目指して
学生たちと汗をかきたいと思う。

以上、少しだけ高校野球やオリンピックの審査員や監督の気持ちを理解できた
杉岡による政策コンペレポートでした。


平成28年11月7日

杉岡 秀紀 記

  

Posted by 杉岡 秀紀 at 00:00Comments(0)杉岡日記より